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2009年11月05日

「自衛隊という密室 - いじめと暴力、腐敗の現場から」 


 

「自衛隊という密室 - いじめと暴力、腐敗の現場から」 
三宅勝久著 

高文研

 

オビから

「警察予備隊発足から60年、核武装を主張し、空自イラク派遣の違憲判決に『そんなの関係ねえ』とうそぶく航空幕僚長が出現、そして、突出する自殺者数・暴行事件・脱走・・・・。」

「いま、自衛隊の中で何が起きているのか」

 


「『自衛隊という密室』の感想」JANJANの記事より(私の感想ではありません)

大手メディアが束になっても書けない一冊。「記者クラブで権力を追及する」はずではなかったのか?

 

  


Posted by take at 07:30Comments(0)読書

2009年07月12日

「離婚の品格」 湯川久子著 




「離婚の品格」湯川久子著 メディアファクトリー発行



福岡の弁護士である湯川さんに先日インタビューしました。また、「品格本?」などと言わないでください。「離婚」に関して自分を責め続ける方々にとってはとくにお薦めです。日本では、一部の方をのぞき、大多数の方々がすぐにご自分を責めますよね。


誤解しないでください。湯川さんは離婚をすべての方に薦めているわけではありません。



「必要なのは、あなた自身が不幸だと思う状況から抜け出す決心をすることです」と湯川氏は強調しています。


記事は英語です。


“Japan: Sensei of post-marital arts: csmonitor.com”



ぼくは一度も結婚していませんが、ぼくの周りは離婚した人ばかり。でも、早くまともな仕事を得て、一度くらい結婚したいなー。

  


Posted by take at 12:00Comments(2)読書

2009年05月30日

アメリカから見る政権交代の必要性 霍見芳浩教授

ニューヨーク市立大学教授の霍見芳浩氏にいただいた論文を掲載します。
この論文は「ニューリーダー」6月号に掲載されたようです。

 ニューヨーク市立大学教授
 霍見芳浩

 訪中直前に、麻生首相が党内外の靖国神社族に媚びて、東條英機以下のA級戦犯を合祀している靖国神社大祭に鉢植えの神木を供え、これに中国と韓国が強く反発したと当地のニュースになった。麻生首相の訪中は、北朝鮮の核脅威を除く為の日中共同歩調の相談との触れ込みだったから、首相の献木行為は外交感覚麻痺と笑われた。それだけではなく、かつての太平洋戦争や中国侵略の責任を認めないのかと麻生首相の歴史認識と道徳感覚が疑われた。こんな首相を抱く日本への公式訪問はオバマ大統領は考えたくないのもよく分かる。


 この頃、私は日米人のある会合で、話をする機会があった。米国、いや世界から見た麻生日本観を即席の風刺ジョークで切り出した。『オバマ大統領、麻生首相、そしてサルコージ仏大統領が揃って、実体の無いソマリア政府を訪ねて、ソマリアの海賊を取り締まってくれと要求した。ところが3人ともにソマリアの海賊に捕らえられ、銃殺される直前に、最後の願い事を一つだけ許された。サルコージ大統領は「この世の名残に仏国歌のラ・マルセーユを歌いたい」と言った。麻生首相は「一つだけ言い残しておきたい事がある。日本は中国を侵略した事も、残虐行為を犯した事もない。また、真珠湾攻撃はルーズベルト大統領に嵌められての事だった」。これを聞くと、オバマ大統領が「もうがまんならん。俺を最初に撃ち殺してくれ」と叫んだ。』

 この風刺ジョークに居合わせた米人は声を出して笑ったが、ほとんどの日本人はキョトンとしていた。風刺ジョークを理解するだけの英語力不足と言うよりは、麻生首相はじめ靖国族達が平気で口にしている「大東亜聖戦説」というまがいものに鈍感なせいだった。米人が笑ったのは、多くが、「この頃の日本はオカシイよ」と親日家であればあるほど心配しているからである。

 聞くところによると、日本の外務官僚は麻生首相の言いつけ通りに、「日本のイメージ改善」の為に、19歳の女優を偽せ高校生に仕立てて、ミニ・スカートとブレザーの制服を着せ、これに「原宿ガール」と「秋葉原ロリーター」のコスプレの二人をつけて、欧米に「カワイイ大使」として派遣する。税金の無駄遣いもさることながら、こんなコスプレ3人娘のファッション道中で、大東亜聖戦の迷妄をふりまく日本の悪イメージが薄まると思っているのなら、首相にも外(害)務官僚にもつける薬はない。

 本誌の先月号で、劣化した日本の検察による民主党潰しの小沢代表の冤罪国策捜査を批判したら、読者から「小沢は民主党代表を辞めるべき。田中角栄は逮捕された時に、自民党を離れ、けじめをつけた」という反論があった。私は、「逮捕も、起訴もされていないのだから、小沢代表は辞める必要はない」と返事をした。「検察は正義、政治家は悪」などという迷信にしがみついていると、小泉、安倍、福田、そして麻生と続く、自公政権が日本の政治、司法、経済、社会、教育を破壊しているのに気付かない。5月半ば、小沢氏は民主党代表を辞めて、民主党潰しを狙っていた麻生首相に肩すかしを喰わせた。「世論に負けて」との声も日本から聞こえてきたが、世論を無視する自公与党のお歴々と較べると、小沢氏の行動はすがすがしい。米国の知日家の間では、「小沢辞任は総選挙を控えて絶妙のタイミングであり、政治家としてのリーダーシップ発揮だ」と好評である。新代表の鳩山由紀夫氏は、麻生「秋葉原セレブ」首相と異なり、リーダーに必要な歴史感覚、国際感覚、国民への思いやりを持つ。

 日本と比べると、米国では民主的法治主義とジャーナリズムによる権力監視が機能している。しかし、これまでのブッシュ政権の8年間に、民主的法治主義は大きく傷つけられ、大統領の憲法無視の国民の無断盗聴に加えて、テロ容疑者を米国内外で国際法でも米国法でも違法の拷問に掛けて詰問していたのが続々と明るみに出ている。この事は、既に、勇気のあるジャーナリストやブッシュ政権のホイッスル・ブロワー(内部告発者)の手で、公表されていた。しかし、ブッシュ大統領もチェイニー副大統領も「拷問を許可する」という大統領文書が秘匿されているのをよい事にして、白を切り続けて来た。

 政権交代の利点が旧政権の責任追及だから、国民の要望に答えてオバマ大統領は、就任と同時に、「拷問禁止」を内外に宣言し、続いて4月、法務長官がブッシュ大統領の拷問許可文書やメモを公表した。しかし、再発防止にはこれだけでは不十分だから、内外の「民主的けじめ派」はオバマ大統領に対して、ブッシュ政権下の違法拷問の真相究明委員会の設置とこれで明るみに出される首謀者の懲罰を要求している。

 オバマ大統領の側近の中には、法治主義感覚が鈍い者も居て、大統領に対して真相究明委員会は必要なしと進言している。しかし、真相究明のけじめと首謀者の懲罰無しには、「オバマはブッシュの犯罪を隠匿する」との疑いが広がり、オバマ大統領としての資質の軽重が問われることになる。このままでは、「太平洋戦争責任を認めない麻生、ブッシュの拷問犯罪を認めないオバマ」との日米首脳の批判が広がるのは避けられない。 

 これまで公表された「ブッシュ拷問メモ」では、「01年9月11日のアル・カイダ・テロの米国攻撃の背景と首謀者究明」というのは米国民を欺く口実で、実は、大統領就任以前から狙っていたイラクへの独断侵攻と占領の口実探しだったのが明るみに出た。「アル・カイダの後盾はイラクのサダム・フセインであり、サダムは生化学大量破壊兵器に加えて核兵器入手も間近だ」というデッチあげだった。このウソ八百の裏付け作りに、03年3月のイラク侵攻まで、そしてその後のイラク占領でもテロ容疑者や捕虜を拷問に掛け続けたのだった。しかし、遂に、アル・カイダとサダムの協力の証言は取れず、サダムの大量破壊兵器も無しと分かった。それでも、ブッシュは、米国民へはウソをついたままイラクに侵攻し、侵攻後もアブ・グレイブ収容所での悪質な捕虜拷問が明るみに出た。しかし、ブッシュは「一部の不心得兵士の仕業だ」と白を切り続けていた。 

 小泉純一郎首相(当時)がイラクに自衛隊を派兵する為に、ブッシュに言いつけられたとおりに、日本国民に対して、「米国がイラクの大量破壊兵器を取り除く為に侵攻占領するのだから、日本も手伝う必要がある」とウソ八百を広めていた。今、ブッシュの拷問メモの公表で、ブッシュそして小泉日米両首脳の国民騙しが明らかになっている。オバマ米国は早晩この真相究明を行う事になるが、麻生日本は、小泉以下の歴代の自公政権のウソと国民を欺いた責任の究明には手をつけまい。日本のイラク占領参加の真相究明や太平洋戦争責任の確認、そしてブッシュの市場原理主義による日本の金融と経済破綻の真相究明にも民主党との政権交代が欠かせない。

(以上)
  


Posted by take at 14:51Comments(2)読書

2009年04月23日

『戦争を止めたい― フォトジャーナリストの見る世界 ―』

ぼくがお世話になっているフォトジャーナリストの豊田直巳さんが新刊を出版しました。戦争が勃発するかなり前からイラクで取材、大手メディアが報道しない現地の状況を伝えてきました。

以下、豊田さんからのメッセージです。

『戦争を止めたい―フォトジャーナリストの見る世界 ―』(岩波 ジュニア新書)

いまどき、流行らないと言わないでください。こうしている間
も、私たちが眠っている間にも、「何処と知れず」ではなく、
公然と、カメラの前でさえ「戦争」が続いてるのですから。
しかし、目をつぶれば、いいえ、テレビのリモコンを触っただ
けで、まるで「戦争」の方がバーチャルだったかのように、眼
前から消えて、画面には刹那を「楽しませる」無数の映像が流
されてきます。インターネットに接続したコンピューターの前
に座れば、まさに「情報の洪水」に流されそうです。
それでいながら、よく耳にするのは「何が起こっているのか、
よくわからない」というつぶやきです。わからないはずです。
「情報」番組ですら「わかりやすい」という決まり文句の下に
、一番大切な問題を切り落としてしまっているのですから。
「では、何が大切か?」とお思いの貴方。そういう貴方にこそ
、そのヒントになる現場を紹介したいという思いからスタート
したのが、本書です。成功しているか否かは、お読みになった
貴方の判断に、お任せするしかないのですが・・・。
サブタイトルに「フォトジャーナリストの見る世界」と付しま
したとおり、写真は扉を含んで81ページ分、全59点ですので
、「気分は写真集」のような感じにもなっております。
是非、お手にとってご覧いただき、お気に召しましたら、ご友
人にもご紹介いただければ、嬉しく思います。
ということで、拙著を宣伝する「恥ずかしさ」も省みずの、お
知らせとお願いです。
豊田直巳拝
豊田氏ホームページ
  


Posted by take at 20:49Comments(0)読書

2009年04月04日

15年前の書から学ぶ

「官僚とマスコミ大批判 日本をダメにする二つの守旧派」
森田実 東洋経済新報社 1994年5月出版

今もう一度読むと大変勉強になる一冊。

(P75より引用)
最近、私はバブル経済時代に経営の中枢部にいた古い知人と会う機会があった。倫理的に優れた尊敬すべき人物である。私はこう質問した。「あなたほどの倫理にきびしい人物が経営内部にいて、バブルの狂乱の流れを食い止めることはできなかったのですか」
これに対してこういう返事が返ってきた。「戦前と同じでした。日本全体が反米意識の囚になり、軍部はもちろんマスコミも官庁も経営者もすべてが戦争に向かっていたあのとき、良心的な人がなにをいっても踏み潰されるだけでした。バブル経済期にそれと同じことが起こったんですよ」

(p. 178より引用)
政治は、アリストテレスが説いたように、本来的に社会の幸福の極大化のための技術でなければならない。
(P.182より引用)
政治権力というものは世論の高い支持率に慢心し過ちを犯すことが多い。国民が政治をうまく使うために必要なのはきびしい批判である。知恵ある国民なら政府に高すぎる支持は与えないだろう。
(参考: 小泉内閣発足直後の内閣支持率87% (読売新聞調べ))
  


Posted by take at 16:04Comments(0)読書

2009年03月28日

ケータイ小説 「君のせい」 咲良色

昨年、ニューヨークからNPRのマーク・フィリップスが来日した時に一緒にインタビューに行ったのが咲良色さん。

DeNAの総合ポータルサイトモバゲーTOWNの大ヒット作品となったケータイ小説、「君のせい」を書いたのが彼女。
東京から少し離れたインタビューの場所(つまり彼女が住んでいる町)、取材で知った彼女の私生活に関することを明かさないという条件で1時間ぐらい話を聞いた。

彼女はインタビューを受けるのは初めてだということだった。初めてのインタビューがアメリカのラジオ局とは何かおもしろい。

咲良色さんは20代半ばのとても控えめな方、マークは彼女は「とてもshy(恥ずかしがりやさん)」だねと感想をもらしていた。ケータイ小説を書いた携帯電話を見せてもらったが、ほんとうに普通の携帯電話だった(まったく派手な飾りのない)。もう2,3年使っているという。

彼女のインタビューの一部はNPRが「携帯電話」報道にリンクを貼った。(彼女の声が少し聞こえてしまっている)

この取材のために「君のせい」(上下)を読んだが、とても読みやすかった。しかし、携帯の小さな画面であそこまで構成を考えることができるのが不思議、というかすごい。ケータイ小説を書いている時に読んだ人から励ましのメッセージをもらったことがとても嬉しかったと話していた。  
タグ :メディア


Posted by take at 14:12Comments(0)読書

2009年03月26日

「品格ブームの胡散臭さ」冨山和彦

しつこいようだが、もう一度、松本大氏と冨山和彦氏の書を推薦したい。「この国を作り変えよう」「日本を再生させる10の提言」(講談社BIZ、1200円) 166ページなのですぐに読めてしまう。1200円とコスト・パフォーマンスも非常に高い。もう2回読んだ。
政治、メディアとも60歳以上の男性の影響力がかなり強いせいか、この書は大多数の人々が気がつかない重要な視点を提供していると思う。冒頭の冨山氏による「品格ブーム」批判はとても楽しく読める。  


Posted by take at 15:39Comments(0)読書

2009年03月22日

「慢性疲労は首で治せる!」 松井孝嘉 

 「慢性疲労は首で治せる!」松井孝嘉 医学博士 東京脳神経センター理事長 (角川書店)

オビ「慢性疲労、うつ、頭痛、めまい、微熱、ドライアイ、冷え、パニック・・・・・」
「新発見、原因は首にあった!」

第一章「その『不調』の原因は首にあった!」
1、「原因不明の病気は、実は、<頸性神経筋症候群>であった」
3、「『慢性疲労症候群』、めまい、うつは『首の異常』を疑え!」
その他...
うつの大半が<頸性神経筋症候群>だと松井先生は言う。自殺者を少なくしたいと長年取り組んでいるのだそうだ。

以前から気になっていたことがけっこう指摘されている。やはり、パソコンは気をつけなくてはいけない。
ノートパソコンではなく、デスクがいいのかなといつも思っていた。疲れがまったく違う。でも、ずっとノートを使っている。今度買うときはデスクにしようと思う。ノートとデスクとでは首への負担がかなり違うという。「首の角度」というのが問題になっているそうだ。
パソコンを使っている方、休憩をこまめにとることも大切だと松井先生は指摘している。15分間に1回。

松井先生は最近下記の書も出版。
「[図解]どこに行っても治らなかった病気が首で治せる」松井孝嘉 (PHP研究所)  
タグ :医療


Posted by take at 11:22Comments(0)読書

2009年03月21日

「自衛隊員が死んでいく」 三宅勝久

 
ジャーナリスト三宅勝久氏の著「自衛隊員が死んでいく」(花伝社)
自衛隊に入るといろいろな免許が取れる、なんて言っていた時代と大きく変わった。海外派遣は当然のようになってきた。それが良いとか悪いとかの議論はさておき、海外に出るようになったことで、自衛隊員へのプレッシャーは想像を超えるものだろう。「テロ特措法」「イラク特措法」に基づき派遣された自衛隊員の総数19700人、そのうちの自殺者は16名です。この自殺率81.2人(10万人当たりの自殺者数)は日本の自殺率24人と単純比較できないが、相当高い数字だと社民党の照屋寛徳議員も指摘している。
「年間100人を越す自殺・不明者」「防衛官僚・腐敗の陰で自衛隊に何が起きているのか?」と三宅氏の著書のオビの一部には書かれています。三宅氏によると、自衛隊員による犯罪は800を上回っているという(2007年)。「年間予算4兆7000億円、職員数26万人。日本最大の役所が抱える底知れぬ病理の一端なりとも照らし出せれば幸いである」と三宅氏は本書のプロローグに書いている。
三宅氏は時間をかけて丁寧に調べていると思う。現場でいろいろな声を聞いている。
三宅氏のようなジャーナリストを支援することが大切なことだと思う。
下記のような事件に関してはほとんど報道はない。詳しくは三宅氏の著書に書いてある。

女性自衛官の人権裁判を支援する会

30日(月)にシンポジウムがおこなわれるようだ。以下NPJからの転載。
3/30(月) 18:00~20:00 (開場 17:30)
憲法シンポジウム

自衛隊はどこへ行く
~「軍隊」としての自衛隊に『法の支配』は存在するか?~
パ ネリ ス ト
    ●水島 朝穂 氏 (早稲田大学法学学術院教授)
    ●半田 滋 氏 (東京新聞編集委員)
    ●三宅 勝久 氏 (ジャーナリスト・ 『自衛隊員が死んでいく』 著者)
    ●佐藤 博文 氏 (札幌弁護士会会員)
 コーディネーター
    ●井堀 哲 (第二東京弁護士会憲法問題検討委員会委員)
 場 所:弁護士会館 3階 301ABC会議室 
 主 催/第二東京弁護士会 共 催/東京弁護士会・第一東京弁護士会
 問合せ先/第二東京弁護士会 人権課・森 (絵)
 TEL 03-3581-2257 FAX 03-3581-3337

  


Posted by take at 15:44Comments(2)読書

2009年03月15日

経済小説家による小泉・竹中路線の愛国者的批判 半澤健市

経済小説家による小泉・竹中路線の愛国者的批判

リベラル21に半澤氏の興味深い書評がありましたので、転載します。
書評 高杉良著『市場原理主義が世界を滅ぼす!』(徳間文庫)
半澤健市 (元金融機関勤務)

《『金融腐蝕列島』の感動》
 40年の金融マン生活を終えた私が、高杉良(1939年~)の『金融腐蝕列島』を読んだのは10年ほど前である。そのときの昂揚した気持を私は忘れない。
大手都銀上層部の権力闘争、貸付債権回収を巡る暴力団や総会屋とのウラ取引、MOF(大蔵省)担当者の得意と屈辱、迷走経営を糾弾するミドルの決起。これらを描ききった長編企業小説であった。類型的で通俗的だといえばいえる。しかし、この作家のもつ構想力と圧倒的なリアリズムに私は圧倒された。高杉は取材に1年をかけ、銀行上層部から末端の行員、大蔵省の要路など100人以上に話を聞いたという。「〈ドキッとするほどリアルであり過ぎる〉と多くの銀行関係者が証言したのを聞いて、私は苦労のし甲斐があったと思った」と自ら書いている。続編もあるが、この第一作は、70本の経済小説を書いてきた著者の一つの到達点だと思う。
『市場原理主義が世界を滅ぼす!』は、その作家が書いた小泉・竹中路線批判の書である。07年に光文社より発行された『亡国から再生へ』に加筆修正し徳間書店で文庫にしたものである。

《小泉・竹中路線の「売国性」》
 小泉は経済を知らず具体的な政策形成は竹中に丸投げした。その竹中が「感度が鈍く、米国金融モデルを信用し続けていた人物」であることが著者によって次々に例示される。一、二を紹介しよう。
一つは郵政民営化批判である。
08年4月にBS朝日の対談番組「竹中平蔵・上田晋也のニッポンの作り方」で竹中はお笑いタレント上田を相手に経済不況に関して次のような提言をした。
▼わたしは実は、日本の方を心配しています。サブプライムの影響そのものは大きくないが、円高を通して輸出産業が影響を受ける。一方で改革が進まず内需が弱い。日本をよくすることは、サブプライムと別に考えていく必要があります。そこで今回もニッポンの作り方として、『民営化された日本郵政はアメリカに出資せよ』と是非申し上げたい。(略)アメリカに対しても貢献できるし、同時に日本郵政から見ても、アメリカの金融機関に出資することで、いろいろなノウハウを蓄積し、新たなビジネスへの基礎もできる。

これを聞いた高杉の頭には二つの解釈が浮かんだ。一つは実体経済を理解できない無能な経済学者竹中であり、二つは米国の走狗である竹中である。高杉は以前に小泉・竹中ラインを「売国奴」と呼んだことがある。二人は、日本経済をどん底まで叩き落として、米国のハゲタカファンドにあらゆる国富を安値で買い叩かせる。郵政民営化も郵便貯金を米国に差し出すということだ。こう考えたからである。
その高杉が、竹中がここまでストレートに言うのを聞いて「さすがに気は確かかといいたくなる」と書いている。そして「仮に竹中の発言通り、(08年)4月の時点で郵便貯金を米国金融機関へ出資していたら国民の貴重な財産が泡と消え、日本郵政は倒産の危機に瀕していた」と述べている。

《竹中「構造改革の失敗」》
 二つは、金融庁の裁量行政による失敗である。
具体例として、UFJホールディングス(旧三和銀行グループ)の三菱東京フィナンシャル・グループとの不必要だった合併のことを述べている。05年9月期中間決算で大手都銀6グループの最終利益は合計1.73兆円と、前年同期の21倍という大幅増益となった。うち三菱東京UFJは7118億円でダントツの利益を計上している。メディアは「三菱東京UFJ」がトヨタを抜いた」と書いた。それに関して高杉は次のようにいう。
▼UFJはつい1年前には経営不振で救済合併として三菱東京と統合された銀行である。
そんな傷んでいたはずの銀行が、それからわずか1年で最大の利益をあげられた理由が「景気回復による改善」であるはずがない。UFJが最大利益をあげられた理由は、不良債権処理に対して積んでいた引当金が不要になり引き戻されたからである。つまり、UFJは竹中路線による金融政策によって、積まなくてもいい引当金を積み過ぎていたのだ。よってこの事実が物語るのは、竹中金融担当大臣の明らかな金融行政の失敗である。

それを書かずにトヨタを抜いたなどと書くメディアは愚かだというのである。
竹中はなにかというと構造改革の成功例として不良債権処理を挙げるが実態は決してフアインプレーではなかったのである。私自身もUFJグループの一員だったから、合併後の社内カルチュアの変化を仄聞するが、銀行という疑似インテリ集団の再編悲劇が予想通り起こったらしい。

《大手メディアへの厳しい批判》
 高杉は返す刀で、大本営発表を繰り返すだけで、報道すべきことをサボった大手メディアを批判する。たとえば、アメリカが毎年日本に突き付けている『年次改革要望書』は、90年代始めから公開されているのにそれを黙殺した。竹中はそんなものは知らないとシラを切った。その間に要望書にある通りの政策がこの国で次々と実行されたのである。少数の慧眼な識者、たとえば森田実、吉川元忠、関岡英之、本山美彦、原田武夫、小林興起らはそれを夙に指摘していた。だがその声は無視されたのである。報道されるようになったのは極く最近である。大手メディアは産業界、官僚、御用学者、広告会社とともに、新自由主義・市場原理主義のイデオロギーを人々に注入し続けてきたというのである。高杉は特に日経、朝日に強い批判を浴びせている。

結局のところ、『市場原理主義が世界を滅ぼす!』で高杉がいくらか挑発的かつ感情的に訴えていることは次のことである。すなわち、米国の対日経済戦略は「日本の金融資産を米国経済の為に使う」のが目的だったこと。すなわち、新自由主義はそのイデオロギーであること。すなわち、日本人はほぼ洗脳されたこと。すなわち、その下手人は小泉・竹中であること。これである。
本書において高杉は熱烈なナショナリストとなっている。ならばその愛国的心情と愛国的分析をわれわれはどう評価すべきであろうか。

《長い戦後における両国経済の消長》
 戦後60年の日米関係を両国経済力の消長から見ると次のようになるだろう。
前半の30年は米国がカネを出して日本を復興させた。その日本が造る商品を米国が買った。日本は貧しい経済大国になった。米国が借金国となり日本が債権国になったのが80年代である。戦後後半の30年は、米国が日本に米国商品を買えと迫った。しかし買うものはなかった。
金融市場はそれでも開放があったほうである。テレビでは疾病、入院保険、葬儀費用のCMが花盛りである。米国保険業による参入は成功した。破綻した世界最大の米国保険会社AIGの生保子会社は日本市場で利益の大半を出していたのである。昔の日本人には、ニコニコしながら人の不幸で商売する習慣はなかったと思う。そこで日本商品の売上代金がすべて米国へ還流するシステムを米国は創ったのである。ニッポンの貯蓄がアメリカの消費を支える構造である。その最終段階を仕上げたのが小泉・竹中チームであった。それを踏まえた高杉による日米関係の「愛国的分析」は、御用エコノミストにはない的確な分析だといってよいであろう。

しかし「08年恐慌」は、米国に都合の良いシステムを消滅させる条件を形成しつつある。小泉・竹中路線の支持基盤は崩壊に向かっている。「かんぽの宿」売却を巡る日本郵政―その背後にオリックス―対鳩山邦夫の対決、定額給付金を巡る麻生対小泉の対立は、そういう日米関係崩壊の戯画的な表現かもしれない。
そこまでは分かるのだが、この国の経済再建の青写真は五里霧中のなかにある。市場原理主義批判において鋭い高杉良も、前途を明快に指し示しているわけではない。
本書は他に、城山三郎を師とする高杉の経済小説論、作者が好意をもった財界人論、メディア相手の訴訟問題、田原総一朗・ホリエモン批判などの興味ある記事を載せる。
本書は「愛国者vs売国奴」の対決を面白く読ませる一冊である。

高杉良著『市場原理主義が世界を滅ぼす!―〈日本人〉再生への提言』、徳間文庫、徳間書店、09年2月刊、590円+税

以上リベラル21よりの転載。  


Posted by take at 00:09Comments(2)読書

2009年03月11日

「乳と卵」 川上未映子

「乳と卵」川上未映子著 

私の副編集長はハーバード大学卒業、日本語も少しできる。アメリカの主要紙の国際部副編集長だ。
その彼女は作家である川上さんを大変尊重していた。
川上さんは個人で大きな賞(芥川賞)を受賞した作家、組織の中のジャーナリストなどよりもずっとすごい、ような点を強調していた。同じようなことは「ジャーナリズム崩壊」の中で上杉氏が述べている。
「この名刺を持っていたら警察もこわくないんですよ」などと私の知り合いに言ったテレビ局の人とはぜんぜん異なる。もちろん、「名刺社会」の日本だから言えてしまうのだが。

  


Posted by take at 20:10Comments(0)読書

2009年02月01日

「日本のアメリカ中毒を治療する」

政治評論家・森田実氏の英語の著書"Curing Japan's America Addiction" (「日本のアメリカ中毒を治療する」)が、私の友人であるブルース・ラトリッジ氏のChin Music Pressから昨年出版。私もちょっとだけ手伝いました。森田氏の英語のブログサイトも開設されています。
森田氏は海外メディアにとてもよくインタビューされます(当時の小泉首相を批判してから日本の大手メディアは森田氏を避けています、とことん最低なジャーナリズムです)。最近もアメリカのビジネス通信社Bloombergの記事に麻生氏に関するコメントが載っていました。Bloomberg社のニュースはもちろん世界中に配信されています。日本語訳は「国民は誰が首相をやっても麻生氏よりはいい仕事をするだろうと感じています」という感じですね。

  


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2009年01月25日

「お笑い記者クラブ」

「ジャーナリズム崩壊」上杉隆著、幻冬舎新書

日本では権力に都合の悪いことは教えないようだ。そのよい例がジャーナリズムや自尊心など。
アメリカだと中学校や高校からジャーナリズムを教えていたと記憶している。
地元の新聞社でバイトをしていた高校生もいた。だから、大学に入ってくるなり、18,19歳の学生が大学の新聞の記者として活躍していた。日本では「ジャーナリズム」という言葉すらあまり浸透していない。「記者クラブ」問題はほとんど知られていないのでは。それにしても最近の新聞も広告が多く、テレビのニュースもCMが多い。記者クラブに入っていても、あまりニュースを流さないのだから、記者クラブは解放するべき。
朝日新聞や北海道新聞が上杉氏を雇うわなかったのは政治家の「色」のせいだというのはほんとうにお笑い。
優秀な記者に入ってこられると自分たちが困るからだ。
「ジャーナリズム崩壊」は必読書。記者クラブが日本社会の諸悪の根源だということがよくわかる。  


Posted by take at 22:22Comments(2)読書

2009年01月21日

「古い世代を壊す権利と義務...」松本大

「古い世代を壊す権利と義務があり、新しい世代に壊される運命を負っていると、私は考えている」と「この国を作り変えよう」の序文で松本氏は言う。

日本では、メディアの同じような報道が多いので、なかなか異なった視点で社会を見る機会があまりない。一般の人々がそのことに気がついていない。

しかし、この書は今までとは異なった問題提起をしていると思う。彼らは以前からこのような考えを持っていたのだろうけど。

松本氏は序文で次のように強調している。
「私が特にいいたいのは、私の世代も、もっと若い世代も、この時代の主役のひとりであるということである。私たちは時代を変えて、より現代に適合した形で次の時代に渡していく責任があると思う。」
もっともなご意見だ。

  


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2009年01月20日

国会に「ねじれ」など存在しない

政治評論家の森田実氏は「ねじれ国会」などは存在しない、「大連立」には猛反対だと繰り返す。
アメリカは新しい大統領のもと、大規模な公共事業を行うという。日本も公共事業が必要なのだろうか?

20090102 森田実氏 「大連立に反対、総理大臣とCIAの関係に関して」
http://www.news.janjan.jp/government/0901/0812294417/1.php




20081219 森田実氏の「公共事業必要論」
http://www.news.janjan.jp/culture/0812/0812284318/1.php

  


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2009年01月20日

「問題の本質は『若者の所得を収奪する団塊世代』...

 「この国を作り変えよう」(講談社)。
以前お世話になったマネックスグループの松本大氏が冨山和彦氏(元産業再生機構代表取締役、現在は経営共創基盤代表取締役CEO)と出版した書。今年最初に読んだ本がこれほど素晴らしいと嬉しい。共感することと同時に学ぶことがとても多い。何か目が覚めてきた気がします。お薦めします。
「問題の本質は『若者の所得を収奪する団塊世代』である。」(おび)
  


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