大手新聞社の面接で

take

2009年10月24日 00:17

以前勤務していた会社でのことです。ある日、今までほとんど話したこともないアルバイトの大学生(会社では「インターン」と呼ばれていました)の1人が、就職試験の面接でうまくいかなかったので「絶対に落とされる」、どこか紹介してくれないか、と頼んできました。彼女にはあまりよい印象がありませんでした。というのも、勤務中なのに、社員や他のアルバイトの学生とよく騒ぐスーパーキッズというような印象を持っていたからです。この会社には社員にもそんな緊張感のないスーパーキッズがいたので、「正社員」でもほんとうにたいしたことないんだと思っていました。

 

私がテレビ局や出版社に知り合いがいると誰かに聞いてきたようですが、知り合いはあまりいないし、いても、あまり助けにならない、と言いました。しかし、彼女が、こちらをじっと見ながら話し続けたので、内容はよくおぼえています(というかその後メモしました)。

 

彼女は大手新聞社を受け、面接までいったのですが、その面接は、面接官は女性が1人だけ、あとはすべて「おっさん」ばかりで、目を見て話を聞いている人は1人もおらず、「おっさん」のうち数人はタバコをふかしながら質問をしてきたと彼女は私に言いました。彼女はそんな横柄な態度に憤慨、機関銃のように愚痴を私のデスク上に連射していきました。相手にされなかった、と思ったせいか彼女はパスできないと思ったのでしょう。

 

とりあえず、その場で出版社の知り合いに連絡を取ってみました。彼女は私の機嫌をとろうとしていたのか、「こんど一緒にお食事でも」などと就職から横道に入っていくような話もしてきました。あと、私が聞いてもいないのに、彼女は自分の父親が某省に勤める官僚で、一家はワシントンに住んだことがあり、自分が東大生だということもしきりに話してきました。そんな彼女の話を聞いているうちに、「彼女は絶対面接にパスした」と思いました。

 

しばらくたってから、会社の2階のキッチンのところで、彼女を見かけたとき、いつもの様子と違うと感じました。何か神妙な顔つきで私を視界に入れようとしない様子でした。その様子を見て、「あっ、やはりパスした」と思ったのです。今度は一転して私から距離を置きたいのだなと思いました。おそらく今も新聞記者をやっていることでしょう。彼女のようなスーパーキッズでもジャーナリストとして雇う新聞社も寛大ですね。でも、読者にとってはどうなんでしょうね。

 


関連記事