佐藤優:官僚のメディア対策

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2009年07月20日 00:18

掲載されてから少し時間が経ってしまいましたが、以下は「封印された高橋洋一証言」の抜粋です。



現代プレミア×
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佐藤優「深層レポート」-封印された髙橋洋一(元内閣参事官、東洋大学教授)証言 官僚無能論と窃盗事件-


このなかで、官僚がどのようにメディアをコントロールしているか書かれています。以前、佐藤氏は講演で同じようなことを話していました。
(以下、抜粋です)



弱みの握り方


『外務省ハレンチ物語』に書いた国会議員に対するアテンドについて筆者が説明し、外務官僚がどれほど「怖いこと」に手を染めているかを話題にしたときのことだ。髙橋氏が、ちょっと驚きの証言をした。「実は私にもその種の経験がある」と語ったのだ。その経験とは、海外での「アテンド」。外務省の職員は政治家や他省庁の幹部などを、海外で接遇する機会が多い。そしてそれは、弱みを握る大いなるチャンスなのである。


***


佐藤 そのアテンドがくせもので、いかがわしい場所に連れて行ったりする。それで翌日、「先生、昨夜はハッスルされましたねえ」と意味ありげに微笑むわけです。政治家や他省庁の連中をどこに連れて行ったかという、A4判の便宜供与報告書があって、大臣官房総務課がそれを一括管理してます。もちろん財務省の役人のもありますよ。



髙橋 そうやって情報を「握る」わけね。実は、私も似たような仕事をしていた時期がある。審議会の委員をしている学者やメディアの記者を海外に連れて行くと、たいていハメを外して、弱みを握れるんですよ。



佐藤 ハメを外すんじゃなくて、外させるんです、仕事だから。怖いですよぅ(笑)。ところで、財務省はどんなメディア対策をとっているんですか。



髙橋 財務省の連中は、マスコミは全部飼いならせると考えているでしょうね。外交もそうかもしれないけど、マスコミの人は専門知識がない。そこに付け入る余地があって、コントロールできるという自信がある。



佐藤 つまり、情報をエサにするわけですね。在外公館にいると、ときどき本省から政局動向レポートが回ってくる。これ実は外務省が外務省担当の記者に書かせていて、裏金から30万円ぐらい払っていると聞きました。これを一回やってしまった記者は黒い友情から抜け出せなくなる。財務省と比べると、汚いオペレーションでマスコミを巻き込むのが外務省です。
私がロシア大使館時代にやったのは偽造領収書の作成。大使館のゴム印を押すんですけど、これは登録されている公印ではなく、悪事に使うためのものなんです。このゴム印を大使館のレターヘッドが入った領収書に押して、取材でやってきた記者の連中に渡すんです。



髙橋 金額が自由に書き込める白紙の領収書ですね。



佐藤 こんな話もあります。あるロシアスクールの先輩が記者と一緒に韓国に行ったとき、女性がニワトリの卵を産むショーをやっている、かなりいかがわしいクラブに案内した。そこでみんなで記念撮影をする。先輩曰く、「その写真が役に立つ」と。写真を撮られたことが、記者にとっては弱みになるわけです。やはり外務省はまともな組織じゃないですよね。


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