京つう

日記/くらし/一般  |日本

新規登録ログインヘルプ


インフォメーション
【京つうからのお知らせ】
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 8人
QRコード
QRCODE

2011年11月04日

TPPは危険 京都大学准教授 中野剛志


メディアの偏った「報道」には吐き気がする。なぜ下記のような意見がもっと取り上げられないのか。

NHKの「視点・論点」から
(全文は下記のタイトルをクリック)

「TPP参加の是非」京都大学准教授 中野剛志

第一に、TPPへの参加は、東日本大震災からの復興の妨げになります。東北の被災地は農業が盛んな地域です。農家の方々はこれから多額の費用をかけて農地を復興していかなければなりません。しかし、もし将来、TPPに参加して農業経営が厳しくなるかもしれないと思ったら、被災した農家の方々は復興に向けての気力を失うでしょう。

現に、宮崎県の畜産農家の中には、口蹄疫の被害の後、畜産を再開しようとしたけれど、TPPの問題が持ち上がったのでやめてしまったところがあるそうです。
TPPへの参加のみならず、TPP交渉への参加を検討していることだけでも、被災した農家に不安を与え、復興の妨げになっています。野田内閣は復興を最優先課題としていましたが、そうであるなら、TPP交渉参加の検討も中止すべきではないでしょうか。

 

第二に、TPPは、日本にとって何のメリットもありません。TPPへの参加によって、アジア太平洋の新興国の成長を取り込めるという意見がありますが、間違っています。
TPP交渉に参加している9カ国に日本を加えた10カ国の経済規模の比率は、アメリカが約70%、日本が約20%となります。そしてオーストラリアが約4%、残り7カ国をあわせて約4%になります。日本企業が輸出できるアジア市場など、ないのです。
日本が参加したTPPは、日米で9割を占めます。中国もインドも韓国もTPPには入っておらず、入る予定もありません。従って、TPPに参加して、アジアの成長を取り込むことなど、できません。TPPとは、実質的に日米貿易協定なのです。

TPP参加国の中で日本企業が輸出できそうな市場は、アメリカだけです。しかし、アメリカの関税は低く、例えば自動車の関税は2.5%に過ぎませんので、これを撤廃してもらってもあまり意味はありません。
しかも、日本企業はグローバル化し、アメリカでの現地生産を進めていますので、関税があってもなくても、競争力とはほとんど関係がありません。
また、アメリカは現在、失業率が高く、深刻な不況にあり、アメリカに輸出してもモノは売れません。それどころか、オバマ政権は、貿易赤字を削減するため、2014年までに輸出を倍増する戦略を打ち出しています。これは、一ドル70円程度の円高・ドル安がないと達成できない戦略です。アメリカは円高ドル安を望んでおり、実際、円高ドル安が進行しています。関税撤廃の効果など、円高が進めば消えてしまいます。
従って、日本はTPPに参加しても、アジアにもアメリカにも輸出を伸ばすことはできないのです。

さて、輸出倍増を掲げるアメリカですが、TPPでアメリカが輸出を増やせそうな国は、日本しかありません。つまりアメリカは、TPPによって日本の市場を獲得することを狙っているのです。

 

第三に、日本はTPPに参加しないと世界の潮流から取り残されるとか、鎖国になるとかいった懸念が聞かれますが、それも間違いです。
 アメリカ、韓国、EU、日本の平均関税率を見てみると、すべての品目の平均関税率では、日本の平均関税率は韓国よりもアメリカよりも低いのです。そして農産品の平均関税率についても、韓国よりずっと低く、EUよりも低いのです。しかも、日本は、食料の自給率が低いのですから、農業市場は十分に開放されているわけです。
 また、日本は、すでに十二の国や地域との間で、経済連携協定を結んでいます。日米関係は、十分に自由貿易です。そして、TPPは、実質的に日米協定であり、中国もインドも韓国もEUも参加していません。
日本は、TPPに参加しなくても、世界から取り残されることなどあり得ません。

(中略)

 

第四に、TPPの問題点は、農業だけではありません。現在、TPPの交渉は農業以外にも、金融、投資、労働規制、衛生・環境、知的財産権、政府調達など、あわせて24もの分野があります。
TPPは、日本の食料だけではなく、銀行、保険、雇用、食の安全、環境規制、医療サービスなど、国民生活のありとあらゆるものを、変えてしまいかねません。特に、アメリカは、日本の保険制度をアメリカの保険会社に有利なように変えることを求めてきています。

(中略)

 

一九一一年、日本は小村寿太郎の活躍によって、不平等条約を改正し、関税自主権を回復しました。それからちょうど百年後の今年、その関税自主権を放棄するなどという歴史を、私たちは、後世に語り継いでいけるのでしょうか。

(以上)

 

 



同じカテゴリー(メディア・サーカス)の記事画像
「女神」が大好き?
「新聞・テレビはなぜ平気で『ウソ』をつくのか」
「新聞やめよう」 渋谷デモより
新聞1面に広告なし アメリカ
「国家の恥・一億総洗脳化の真実」上杉隆 
「マスゴミ崩壊」三橋貴明
同じカテゴリー(メディア・サーカス)の記事
 スキャンダラス安倍政権をアシストするメディア (2017-10-16 15:56)
 安倍さんとディナーを楽しむジャーナリスト、メディア幹部 2017年 (2017-10-01 00:06)
 安倍さんとディナーを楽しむジャーナリスト、メディア幹部 2016年 (2017-10-01 00:00)
 安倍さんとディナーを楽しむジャーナリスト、メディア関係者 2015年 (2017-09-30 22:49)
 安倍晋三首相とディナーを楽しむジャーナリスト、メディア関係者 2013年 (2017-08-23 23:55)
 安倍首相は説明責任を「放棄」 (2015-03-05 08:20)

※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。