2011年10月23日
「記者会見ゲリラ戦記」 畠山理仁
「記者会見ゲリラ戦記」畠山理仁
この書はかなり興味深く読ませてもらった。多くの日本の人々がメディアの問題どころか、社会問題にも関心を示さない一方、畠山氏がフリーのジャーナリストとしてこの問題を追及し続けていることに感心する。
畠山氏も言うように、記者クラブ問題はほんとうにバカらしく時間の無駄とさえ思ってしまう。にもかかわらず、この問題を追求し続けている主な理由を畠山氏は下記のように述べている。
(以下、抜粋 154ページ)
僕がなんでこんなお金にならないことを続けているかっていうと、「記者クラブによる情報の独占はおかしい」と思っているからなんです。記者クラブを構成するメディアも、普段は「社会の木鐸」なんて言ってるけど、本当は利益を追求する一私企業にすぎません。その上、権力側から無料の記者室などさまざまな利益供与を受けている。だから権力側や記者クラブメディアにとって「不都合な真実」を報じないというケースが出てくるんですね。
たとえば新聞とテレビの資本関係を規制する「クロスオーナーシップ規制」や「官房機密費がマスコミに流れていたという疑惑」。
(抜粋以上)
2011年10月23日
「映画『ちづる』いよいよ29日公開!」
取材でお世話になっている映画監督・池谷薫氏からの映画公開のお知らせです。
池谷です。僕がプロデュースした映画「ちづる」が、いよいよ29日(土)から東京・横浜でロードショー公開されます。
(ポレポレ東中野:11:00|13:00|15:00|17:00|19:00 横浜ニューテアトル:11:00|12:35|14:10)
予告篇の観れる公式サイト:
http://chizuru-movie.com/
「ちづる」は今春、立教大学映像身体学科を卒業した赤﨑正和が、卒業制作として完成させたドキュメンタリーです。
自閉症と知的障害をもつ妹とその母を、監督である兄が1年に渡って撮り続けた家族の物語。
大学の卒業制作作品が全国の劇場で公開されること自体、極めて異例なことだと思います。
赤﨑は自分のためにこの映画をつくりました。隠してきた妹の存在。そのために生じた友人とのコミュニケーションの欠落。
このままではいけない。そんな強い思いが引き金となって、覚悟を決めて妹と向き合い、家族の個性が光る、明るくてハートフルな作品に仕上げました。
赤﨑はいま、この卒業制作が契機となって、都内の知的障害者の施設で働いています。
初日には「師弟トーク」と題して赤﨑正和監督と僕がトークショーを行います。作品誕生の裏に何があったのか。本音でお話しさせていただきます。
(ポレポレ東中野:11:00の回終了後 横浜ニューテアトル:14:10の回終了後)
学生がつくった映画を学生の手で届けたい――さらに「ちづる」は、配給・宣伝といった映画公開におけるすべての業務を赤﨑の後輩である現役の立教大生が担っています。
この夏、彼らは汗を流してチラシを配りまわり、新聞社や放送局に突撃をかけて宣伝活動を行いました。まったく大したやつらです!よき出会いが、きっと彼らを成長させるでしょう。
僕らの目標はロングラン!ひとりでも多くの人に「ちづる」を届けたいと思っています。
どうか皆さん、「ちづる」を観てください!!
感謝を込めて
池谷 薫(いけや・かおる)
映画監督・立教大学映像身体学科特任教授
2011年10月23日
「苦役列車」
金曜の晩に会った人と食事をすると必ず時間を忘れて話し込んでしまい、前回も、その前も終電に乗ることができなかった。そして、今回は相手には悪かったが、時間をいつもより気にしながら食事をしていたのだが、話の後半に相手がとても気になった部分があったらしく、そのことについて話していたら、また、終電に乗り遅れ、上野駅周辺に泊まることになった。
そして、土曜の朝、カフェでカバンの中に入れておいた「苦役列車」を取り出して読み始めた。著者の西村賢太は中卒、父親は性犯罪者で、それが原因で学校にも行けなくなってしまったという。そんなバックグラウンドにも興味があり、この書を読もうと買った。
描写の巧さもあるのだが、同じ荷役の仕事を経験したことがある自分にとってその現場のシーン、空気がよみがえってきてしまい一気に読んでしまった。
NHKの昼の番組のインタビューでは、そんな経験などとはかけ離れている超世間知らずのアナウンサーがつまらない質問を繰り返していてたが(ほんとうにうっとうしかったー)、著者の話は興味深かった。