2011年01月27日
「リーマン・ショック」は日本だけ?
「リーマン・ショック」は日本だけ?
もう1年以上前のことだが、海外から来たジャーナリストに、なぜ、この国では「金融危機」のことを「リーマン・ショック」と呼ぶのか、と聞かれたことがある。もちろん、海外では「リーマン・ショック」などと呼ばない。
電車の中で急に聞かれたので、その場で、「不景気はアメリカのせいにしたいのでしょ」とぶっきらぼうに答えた。自分自身、「リーマン・ショック」という言葉も「同時多発テロ」という言葉も使った記憶がない。いや、日本のメディアが繰り返し使う表現は使いたくないと言った方が正しいかもしれない。なぜなら、彼らの報道から政治的意図を感じることが多々あるからだ。
実は、最近著名なエコノミストの話を聞きに行ったとき、「リーマン・ショック」という表現に関して聞かれたことを思い出したのだ。エコノミストは次のように言った。バブル崩壊後と比べて、今回の世界的な不況下で日本企業がリストラすることはまったく困難ではなかった。なぜなら、すべて、アメリカのせいにすればよかったからだ、と。
学生や失業者から会社の経営者、「左」の方から「右」の方まで、みんなそろって「リーマン・ショック」「リーマン・ショック」と繰り返していれば、すべてアメリカが悪いのだと信じ込んでしまうだろう。いや、アメリカと言うより、ある特定のグループを意識して表現しているのかもしれない。
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