2009年09月12日
八ツ場ダム、何が問題?
八ツ場ダム、何が問題?
何年か前、ある環境団体の集会で八ツ場ダム建設の問題に携わっている市民団体の方の話を聞いたことがある。そこで、八ツ場は「やんば」と読むのだということを知った。最近、新聞、テレビ、インターネットでこのダム建設の問題を知った人も、「やんば」という名前を初めて聞く方が多いのではないだろうか。
それが問題なのだ。2015年完成予定のこのダムの総事業費は4600億円だという。それだけの規模のダムが必要かどうかの議論があったが、無視されてきた。
インターネットで検索すると分かると思うが、このダム建設に反対している市民団体は少なくない、本格的な活動を繰り広げてきた。裁判も闘ってきた。しかし、メディアは、このダムがほんとうに必要かどうかという議論をおこさないどころか、このダムに関してまったく報道してこなかったことが信じられないと、反対派の人々は首を振っていた。
政権が変わり、民主党のもとでは建設が中止になるということで、「八ツ場ダム」は新聞の1面に躍り出てきたのだ。
大手メディアのような大きな会社に勤める人々は、市民運動、市民社会を軽視しがちだ。それが何を意味するかもわかっていないようだ。大手メディアの場合は、自分たち、あるいは権力側と異なる視点を市民団体に持ってこられるのが困るのではないか。
先日、日本で市民運動を行っているアメリカ人に会ったが、彼は、フィリピンやバングラデシュなどの国の市民団体と比較して、日本の市民団体は、日本社会においてそれ以上に低く見られていると話していた。