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2009年03月20日

最悪のシナリオ? 「野口教授の悲観論」 半澤健市

アメリカのテレビや新聞は、連日、朝から晩まで、世界不況、米国内の不況に関するニュースばかり。
また、どのようにこの不況を乗り越えるかという議論ばかり。日本はWBCと藤原・陣内の離婚に関する議論ばかり。
多くのブロガーも日本のメディアを引用しているので、当然のように、その話題にふれる。繰り返し言うが、海外からは日本は先進国のなかでも最も深刻な状況だと見られている。
2009年3月10日ワシントンポスト紙
"Japan Leads Rich Nations Downward" 

リベラル21に掲載された半澤健市さんの「野口悠紀雄氏の日本経済論」を下記に転載する。
―日本は未曾有の不況に直面か―

半澤健市 (元金融機関勤務)
 私は本ブログで、約1年前に「アメリカ経済最悪のシナリオ ルービニ教授の悲観論」(上・下)を書いた。ニューヨーク市立大のヌリエル・ルービニ教授の経済見通しを紹介したのである。
 08年2月28日 http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-264.html
 08年3月 1日 http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-266.html
当時、少数意見だったルービニの見通しは的確であった。彼の「金融と経済の破局への12のステップ」と「FRBが危機を救えない8つの理由」はことごとく現実となった。ルービニ説は金子勝慶大教授の文章などに取り上げられてよく知られるようになった。当のルービニ教授は依然として悲観論者であり、経済ジャーナリズムの「売れっ子」となっている。

《金融問題ではなく「マクロ経済」の問題》
 ここに紹介するのは野口悠紀雄早大大学院教授の日本経済論である。
大蔵官僚からアカデミズムに転進した野口は、現代日本経済の実証分析で優れた業績を残した。「超・整理法」などの実用書でも知られる。資料による実証と明解な論理で進める文章は歯切れが良く読みやすい。

ところで今次の世界不況はアメリカ発の金融不況だとするのが世間の常識だ。麻生太郎首相は不況脱出できるであろう3年後に消費税増税をしたいといった。与謝野馨経済財政担当相(当時)は08年9月のリーマン・ショックについて日本は「ハチに刺された程度」だといった。日本の金融業界はサブプライム関連投資は少ないから損失は軽微であるといった。日本の製造業者は08年後半から実体経済がこんなに悪くなるとは誰も考えていなかった。いずれも、根本は金融問題であるという理解であり、アメリカが加害者で日本は被害者だという認識である。

野口悠紀雄の見立てはちがうのである。その要点は次のとおりである。
第一に、今回の世界不況は金融危機に限定されない「マクロ経済」問題である。
マクロ問題とは何か。それはアメリカ経済が、家計も企業も国家も、借金で成立している。そのカネを中国、日本、産油国が供給している。この構造に起因するマクロ経済問題であるということだ。(09年2月14日の拙稿に書いた下村治にも共通している)http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-660.html
第二に、従って、これは当事者たる日本の経済問題である。日本株価の下落率がアメリカより大きいことからも分かるように、今後の景気後退は日本のほうがアメリカより深刻になるであろう。
第三に、本質は構造問題であるから現在の日本政府による小手先の景気対策や金融緩和は無意味である。日本の経済構造の大改革が必要である。

《日本共犯論と貿易立国モデルの崩壊》
 90年代以降、日本はデフレ脱却政策と称して異常な低金利政策を継続した。この円安政策は金利差を利用する「円キャリ取引(トレード)」を誘発する。このカネが回りまわってアメリカの住宅バブルを導いたであろうという。これが日本共犯論である。円安政策は「円安バブル」となって日本企業―特に輸出企業―の収益向上につながった。5年を超える日本経済の回復は、円安バブルが支えた輸出企業の収益向上の帰結である。この構造が崩壊することで輸出企業の収益に依存していた国民経済成長の構造も崩壊する。野口はこういう。(▼は野口著『世界経済危機 日本の罪と罰』から引用、以下同じ)
▼アメリカの赤字縮小は、黒字国の黒字縮小を意味する。ところが、産油国に対する赤字が簡単に縮小するとは思えない。とたがって、しわ寄せは、日本と中国に集中するだろう。日本の貿易黒字縮小は不可避のものだ。(略)仮に〇七年に記録した純輸出がゼロになればGDPの五%程度の影響が及ぶことになる。これは、けっしてあり得ないことではない。

実際に、08年第4四半期に輸出は急減し、その結果GDPは年率12.1%も低下した。壊滅的である。つまり我々が最近見ているのは、野口の分析が的中しているという事実である。
野口は最近、GDPの落ちこみは5%ではなく10%に及ぶかも知れないと言い始めている。その縮小は一挙にくるのではない。3年ないし5年という日時を要するであろう。仮に10%が3年なら年率3%、5年なら年率2%のGDPが失われる。これが現実となれば日本経済は未曾有の不況に直面する。そして日本経済は制御不能になるかも知れないといっている。

「貿易立国モデル崩壊」論は、経済界の常識とは異なるラジカルな見解である。
しかし野口は、日本経済は輸出依存体質から脱却するために産業構造の大転換が必要だという。これは小泉・竹中路線とは異なる「構造改革論」である。
そういう考えの基本に日本の経済政策が生活者よりも生産者優先の方針を長くとり続けていることへの批判がある。また自国通貨高が国益にかなうという認識がある。言及は国民の意識に及ぶ。
野口は次のようにいう。
▼円高は容認されず、円安への政策が取られた。消費者の立場から見て望ましい変化が生じたときに、それを打ち消すような圧力が生産者(とくに輸出産業)から生じるのが、日本の経済政策の基本的なバイアスである。こうしたバイアスは、最近時点に始まったものではない。日本の経済論議や経済政策論議は、高度成長期以来一貫して、消費者無視のバイアスを持っていた。
▼消費者の考えが経済政策に反映するような成熟国であれば、自国通貨安に批判が起こり、自国通貨が強くなって輸出産業の競争力は落ち、経常黒字は縮小するはずだ。その半面で、消費者は外国からの安い輸入品によって、豊かな生活を実現できる。しかし、日本や中国のように生活者の意識が低い国では、そうはならないだろう。

《窮状を打開する道はあるのか》
 貿易立国政策が破綻したとすれば日本はどんな産業構造に転換すべきなのか。野口自身も具体的なプランを全面的には提示していない。今後、試行錯誤によって見出していくしかないといっている。著作のなかに次の叙述がある。
▼為替レートが六〇円台となっても収益が上がる産業構造をつくること、資本面で国際的に開かれた国とすること、の二つが重要だ。モノの輸出でなく、カネの運用によって国を支えられる時代においては、ファイナンスの手法を習得し、対外資産の収益率を高めることが重要な国民的課題となる。そのためにも重要なのは、高度な金融専門家の養成だ。これは、日本の高等教育のなかで最も立ち遅れた分野である。(略)このように言えば、「アメリカもイギリスも、地道なものづくりを忘れて、金融資本主義の道に突き進んだ。そして破綻した、いまさらそれを真似せよというのか」と言われるかもしれない。しかし、こうした意見は誤りである。今回の危機は、ファイナンス理論が使われたために起こったことではなく、使われなかったために起こったことだからだ(特に、リスク資産の評価が適切に行われなかったことが問題だ)。「貯蓄から投資へ」は、家計に対して要請されることではなく、プロの機関投資家に対して要請されることである。

ここにあるのは市場開放論と金融市場を主戦場とする産業政策論である。
金融界に40年席をおいた私は、金融は実体経済をサポートするもので経済の主役だと思ったことはない。貿易収支と外貨準備のカベが、戦後日本経済にとって如何に「生命線的」であったかを知る私は、野口の分析と論理は俄に信じがたいことも事実である。
しかしユニークな日本経済論は、「何でもあり」の経済論議の素材として貴重だと思う。「日本経済最悪のシナリオ 野口悠紀雄教授の悲観論」は、ルービニ教授の昨年の予想と同じ結末を迎えるであろうか。

*本稿の資料は野口悠紀雄著『世界経済危機 日本の罪と罰』(ダイヤモンド社、08年12月刊)、同「GDP10%減 大津波が来る」、月刊誌『文藝春秋』(09年3月号)、野口氏のテレビ出演での発言です。

以上リベラル21より転載  
タグ :経済


Posted by take at 16:16Comments(0)ニュース 

2009年03月20日

素っ裸で雪山登山

3月17日のニューヨークタイムス(The New York Times)に出ていた、裸で登山する人に関するスイス、アッペンツェルからの記事。写真は裸の二人が雪山(スイス、アッペンツェル)を登山している様子(ほんとう何もつけていないんだ)。
In Thin Air of the Alps, Swiss Secrecy is Vanishing

なんでわざわざ雪山を何も着けないで登っているのだろう。「精神的な自由」と「身体的な自由」を感じることができるからだと裸のハイカーがインタビューに答えている。最近、裸で登山する人が増えてきているらしい。

「国際ヌーディスト」(international nudist)はホームページもあって、そのなかに裸のハイカーを募っているグループがある。
このホームページは"naturalist"and"nudist" (「自然主義者」と「ヌーディスト」)のためのホームページだという。
いろいろな国の旗がたっているけど、残念ながら日本の国旗は見えない。つまり、日本人のメンバーはいないということか。
そういえば、以前、TBSの記者がヌーディスト・ビーチから「報道」していたっけ。彼は自分も裸になって海に入っていった。何を伝えたいのか、ただあきれるばかりだった。  
タグ :ニュース


Posted by take at 06:27Comments(2)異文化