2009年09月06日
読売巨人軍の「オーナー」って
海外からの記者にこんな質問を受けた。「日本の野球チームの『オーナー』はほんとうのオーナーでない人がほとんどですね。それなのに、なぜ『オーナー』と呼ぶのでしょうか」と。
メディアは、球団側が「オーナー」と呼んでいるので、そのまま「オーナー」というタイトルを使っているのだろう。正直言うと、10年ほど前まで自分も気が付かなかった。以前、日本の野球に関して書いてある欧米の新聞記事を読んでいたとき、オーナーが "owner" と引用符が付けられていたので、そこではじめて気が付いた。
しかし、球団が新聞社やテレビ局、つまりメディアに運営されている場合は問題ではないか。ほんとうの意味の「オーナー」は会社であるのに、「オーナー」と呼ぶのはどうなのか。しかも、巨人の場合、その「オーナー」は元新聞記者だ。どなたのことを話しているかというと、巨人の滝鼻「オーナー」だ。
海外のジャーナリストに日本の野球について話すとき、次のことを説明する。
読売ジャイアンツというチームは読売新聞が運営している。
その新聞にはよくチームの宣伝らしき「記事」があり、それを疑問も抱かずに読む読者が多い。つまり、紙面において、国民に与えるべき情報より、チームに関するその宣伝らしき「記事」が優先されても問題視されない。
その代表の清武英利氏と滝鼻卓雄オーナーは元新聞記者、社会部にいたそうだ。
最後の清武氏と滝鼻氏の話をすると、ほとんどの人は信じない。しかし、ほんとうだ、と何度も言うと、そんなのありえるのか、と大笑いしている。
しかし、元ジャーナリストがトップにいるこの球団はどんな球団か。野球に詳しくなくてもお分かりかもしれない。「お金にものをいわせて、他球団のエースや4番打者を次から次へと獲得している」と批判されている球団だ。そんな姿勢が紙面にもあらわれていないだろうか。しかも、この新聞が日本で一番部数が多いそうだ。
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まさに今回の記事は日本人の弱点の一つを突いておられると思い拝読いたしました。
日本人の弱点の一つに「言葉の意味、本質や言葉の背景にある文化を理解しないで
何となくカタカナ語を雰囲気で使ってしまう」ことが挙げられるかと感じています。
今回の記事のように「オーナー」というのはまさにその典型でしょう。
そうした一つの例に「うちの会社」という言葉を使って考えてみます。
普段何気なく使っている「うちの会社」の意味とニュアンスは
英語に訳すのが非常に困難な言葉ではないでしょうか?
日本人的に無理矢理に直訳してしまえば、「うちの会社」=My Companyとなるので
しょうが、
これでは典型的な和製英単語です。英語圏の人からすれば「My own company」が正し
くなるでしょう。
となると、日本人のサラリーマンは大半が従業員かつ株主であることになってしまい
ます。
「Working for〜」や「My present job」などは英語圏での経験がないと分かりずら
いのかもしれません。
こうした背景には、貴Blogで何度か指摘されておられる「日本人は所属で相手を判断
する」という
文化背景に繋がるのではないか?とも思えます。
かなり嫌味でいじわるな捉え方なのかもしれませんが、英語を勉強する際に、
こうした考え方をケーススタディ的に使っていくことで、
母国語と英語の違いと文化背景を理解することに繋がるのではないかと常日頃感じて
います。
とは言ってみたものの、メディアでの言葉の使い方を見ていると、
そんなことはかなり虚しいことなのかもしれませんね。
ご意見ありがとうございます。
私も間違えるたびに指摘され、けっこう勉強しました。言葉の使い方は本来メディアが気をつけるべきですが(そのために編集者がいるのであり)、メディア自身がその間違った使い方を平気でしているところに問題があります。また、同じような例を出していきたいと思います。