2009年08月05日
昨年の大統領選挙と日本のメディア
先月8日、ニューヨーク市立大学霍見芳浩教授は講演で、2008年の大統領選において、日本の政府やメディア関係者のなかには、アメリカは黒人のオバマを大統領にするわけがないと言い続けいていた人がとても多かったと強調していました。他の海外メディアが、オバマはかなり有利であると報じ続ける一方、日本のメディアのなかには最後までマケインが勝つ可能性を信じていた人が少なくなかったと霍見教授は話していました。
思い当たる方が何人か出てくることでしょう。アメリカで何年もジャーナリストとしてご活躍しているのに残念なことです。
インターネットで海外のメディアをよく見ているある20代の学生(東京在住)は、夏前に「もうオバマで決まりですね」と話していました。その理由もしっかりとしたものでした。
ジャーナリストは予想屋ではありません。しかし、前回の大統領選において、共和党候補であるマケインの勝算が高いか低いかぐらいはわかりそうなものです。ただ、「リベラルすぎる」(この意見には異論があるでしょう)からとか、「黒人だから」とかが理由になるでしょうか。共和党内の分裂、金融危機、オバマ陣営の素晴らしいメディア戦略などを考慮すれば、マケイン候補の勝算がかなり低いことは明らかでした。アメリカとイギリスのメディアから大統領選挙の情報を得ていたぼくとしては、日本のメディアが報道する大統領選挙は、日本の人々のためにならないと思いました。
以前、霍見教授が別の講演で話していた、「日本のメディアでは国内のことも海外のことも分からない」という意見は、今なら多くの人が納得することだろうと思います。
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Posted by take at 15:21│Comments(0)
│メディア・サーカス
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