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Posted by 京つう運営事務局 at

2009年07月30日

稲村公望:「米国市場原理主義のイカサマ経済が許せない」



JanJanの記事を転載します。



「米原理主義の不正許さぬ」郵政造反官僚出馬 



      民営化で郵貯と簡保の巨額資産を狙った国際金融資本



田中龍作



2009/07/30



 「郵政民営化」への反発が選挙情勢に影響を与えているなか、「郵政改革」の裏を知り尽くした元総務(郵政)官僚が衆院選に出馬する。郵政民営化の見直しが党是の国民新党から比例(東海ブロック)で立候補する稲村公望・中央大学大学院客員教授(60)だ。



稲村氏は1972年、郵政省(現総務省)に入省。国際畑、通信畑を歩き、2003年4月の郵政公社発足に伴い同公社常任理事に就任した。小泉首相が郵政民営化に向けてひた走っていた頃である。

 小泉首相は2004年夏頃から「郵政民営化法案」の提出準備を始め、民営化すればすべてがバラ色になるかのような幻想をメディアを通じて振り撒いた。

 民営化が国民のためにも国家のためにもならないことを現場で見抜いていた稲村氏は民営化に反対だった。稲村氏は常任理事の任期が切れる2005年3月、郵政公社を辞職。「郵政民営化法案」が提出される5ヶ月前のことだ。

 小泉政権によるメディア操作は1年をかけて行われた。幻想が国民の意識にどっぷり浸透した2005年8月、小泉内閣は「郵政民営化法案」を国会に提出。参院で否決されると衆院を解散し「民営化にイエスかノーか」のみを国民に問うたのだった。詐術的な手法で勝ち取った「郵政民営化」はすぐに馬脚を現す……

 民営化後、一時閉鎖(事実上の廃止)された郵便局は全国で344局にものぼる。民営化以前、山間部や漁村では郵便配達のオジサンに郵便貯金や簡保の出し入れを頼むのが当り前だったが、それも4分社化により法律で禁じられた。

 足腰の弱ったお年寄りが、バスで遠くの大規模郵便局までわざわざ出かけなければならなくなったのである。「国民へのサービスが低下することはない」と小泉首相は豪語していたが、ウソだったのだ。

郵貯と簡保の巨額資産狙った米保険業界

 稲村氏が郵政民営化に反対する理由はこればかりではない。氏と出会った2年前、郵政民営化の問題点について尋ねたところ「アメリカ保険業界は日本を映画『シッコ』のような社会にしたいんだ。それが許せない」という答えが返ってきた。東大卒業後、アメリカの大学院で学んだ稲村氏は米国の情勢にも明るい。

 映画『シッコ』は国民皆保険制度のない米国社会の悲惨さを描く。民間の保険に入れる富裕層は、病気やケガをしても保険がカバーしてくれる。だが保険に加入できない中間以下の層は、病院にもかかれない。かかってもろくな治療を受けられない。

 日本の国民健康保険は、保険料を払えない低所得者層の増大で事実上パンクしている。事態がさらに進行すれば国民皆保険制度は崩壊する。

 国民皆保険制度と郵政民営化と何の関係があるのか、と思う読者もいるだろう。ところがあるのだ。稲村氏によれば、米国の保険会社が幾社も列をなして郵政民営化を待っていた。

 米金融資本の狙いは300兆円にものぼる郵貯と簡保の資産だった。健康保険ビジネスを日本で展開し、郵貯と簡保の莫大な資産を本国に持って行って運用するためだ。国民皆保険制度の解体と郵政民営化はセットだったのである。

 「こうするため竹中は格差社会を作り出した」。稲村氏は小泉首相よりも竹中平蔵・元総務大臣を強く批判する。米金融資本の意向を受けて郵政改革の効用を喧伝していたのは、確かに竹中平蔵総務大臣であった。

 ヒラリー・クリントンは国務長官は上院議員時代、国民皆保険を導入しようとして自分の選挙が危うくなったことがある。米金融資本の柱とも言える保険会社の反発を買ったためだ。米保険会社の政治力の凄まじさを物語るエピソードだ。

 「郵政民営化の陰に米保険会社」と説いていた稲村氏にも米薬品業界から圧力がかかった。「何でそんなこと言うんだ」と電話で言われたという。

 「僕はね、米国市場原理主義のイカサマ経済が許せないんだ」。稲村氏は出馬動機を語る。出馬を決断した日は、西川善文・日本郵政社長の解任を求めていた鳩山邦夫総務大臣が逆に麻生首相から斬られた6月15日だ。「市場原理主義が温存された」。稲村氏は悔しさを隠さない。

 「本当は赤字でもなかった『かんぽの宿』を帳簿上の操作で意図的に赤字にし、二束三文でオリックスに叩き売った」と稲村氏は指摘する。国民の資産が叩き売られたのである。

 昨年9月、証券大手「リーマンブラザーズ」の破綻を引き金に米国の市場原理主義はあっけなく潰えた。ところが、稲村氏によれば「日本には市場原理主義の残党がいる」。

 当選の暁には、国会招致も取り沙汰されている竹中元大臣、西川日本郵政社長を追及してほしいものだ。
(以上)

  


Posted by take at 19:12Comments(5)ニュース 

2009年07月30日

上杉隆:「記者クラブ問題が存在しない理由」

興味深い記事がありましたので、掲載します(抜粋)。全文はタイトルをクリックしてください。大メディアに都合の悪いことを言う人間は「消していく」ということでしょう。やはり、自分たちの利益を最優先しているのがよく分かります。



上杉隆「記者クラブ問題が存在しない理由」



ジャーナリスト・上杉隆氏と正体を明かさない社会派ブロガー・ちきりんさんの対談4回目。これまで書籍やテレビ番組などを通じて、上杉氏は日本の記者クラブ制度について批判してきた。しかしこの問題を取り上げることによって、番組を降板されるなど、さまざまな圧力を受けてきたという。



 今回はメディア業界のタブーとも言える「記者クラブ」問題を中心に、2人に語ってもらった。



「記者クラブ問題が存在しない理由」



ちきりん: アンチといえば……“アンチ上杉さんという人も多いのでは? 1年ほど前に『ジャーナリズム崩壊』という本を出されて、その中で痛烈に日本の記者クラブについて批判されていますよね。



上杉: これまで記者クラブ批判をした人はたくさんいますが、多くの人は失敗してきました。あるジャーナリストは「記者クラブなんて批判しても何も変わらない。時間のムダだから止めたほうがいい」と話されていました。また『新聞が面白くない理由』を書かれた岩瀬達哉さんも「もう記者クラブを批判するのは止める」と言っていました。そこで僕は「分かりました。それでは僕が引き継ぎます」といって、記者クラブ批判の本を書いたのです(笑)。



 フリーのジャーナリストで記者クラブを批判している人は多いのですが、声を大にして批判する人は少ない。その理由は、取材がしにくくなるから。例えば僕が記者会見の席で質問しても、テレビや新聞で掲載されることは一度もない。よく新聞で、大物政治家の記者会見の様子が全文掲載されていますが、僕が質問したところは記者クラブの意向でカットされてしまう。



ちきりん: それはヒドイですね。ただ民主党が政権を取れば、記者クラブがなくなるかもしれませんよね?



上杉: そのことを記者会見で質問したことがあります。すると鳩山由紀夫さんは「どうぞ記者会見にお入りください」と話されていたが、その部分は削除されていた。



 つまりこの国では、記者クラブ問題は「存在しない」ということになっています。実は記者クラブを批判するということは、ジャーナリストとして消されてしまう危険性があります。そこで僕は『小泉の勝利 メディアの敗北』という本の中で、自身の記事を掲載し、ミスを自己検証し批判を加えた。いわば自爆本ですね。これだと誰も文句は言わないだろうと思い、とにかく自分のことを批判していった(笑)。



 また『ジャーナリズム崩壊』が出る前に、僕はテレビに出演し、露出を高めていったのです。もちろんテレビ局は記者クラブに加盟していますが、本が出版されたからといって、テレビ局は僕を降板させることができないだろうと思ったわけですね。もし僕が雑誌やスポーツ新聞だけで書いていたら、黙殺されて終わりだったでしょう。記者クラブ問題は取り上げられなかったら、何もなかったことと同じですから。昔、立花隆さんも記者クラブのことを批判していましたが、やや突っ込みが足りなかった。なぜなら立花さんは文藝春秋のOBで雑誌側の人間だから。



ちきりん: 本を出版されたとき「仕事がなくなるのではないか」といった不安はありませんでしたか?



上杉: 本が出る前に、僕は幻冬舎の編集担当者にこう言いました。「たぶんテレビや雑誌などのレギュラーを降ろされるでしょう」と。しかし降ろされたのは、2本だけ。というのも視聴者から「上杉は変わっていて面白い」という声がきていて、テレビ局としても降ろしにくくなったという要素もあるようですね。僕がブラウン管に映っているときに、視聴率が上がったこともあったようですから。



 また関西で放送されていた『ムーブ!』という番組の最終回では、15分間にわたって記者クラブ批判をしました。最後に「地上波のテレビ番組で記者クラブ問題を取り上げることができたのは、なぜなら『ムーブ!』が最終回だからです」と言った。そのとき、ディレクターは「あ~これでクビだあ~」と言っていましたが(笑)。



 ただ後日談があって、実は次の番組でレギュラー出演が決まっていたようなのです。ですが、記者クラブ批判のほとぼりが冷めてからということで、ひとまず「お断り」になったみたいですね。



ちきりん: そんな仕打ちをするんですか……



上杉: 『ムーブ!』で記者クラブを批判したため、他局でも「上杉を出すな」といった声があったようです。こうした情報はすべて記者やテレビ局の人間から教えてもらうのですが、それで「もう政治関係のジャーナリストとしてメシを食っていけないなぁ」と思い、ゴルフ雑誌の連載を始めたんです(笑)。



 ところが不思議なことに捨てる神あれば拾う神ありで、かえってレギュラーの仕事が増えてきたんです。