2009年07月28日
「国民的な人気のある麻生氏」と誰が言った?
ちょうど1年ほど前、「国民的な人気のある麻生氏」などと言って、騒いでいた。
今では絶対に言えないだろう。しかし、とくに、2007年、2008年の総裁選挙の前にこのように言って騒いでいたのは誰か?メディアだ。ほんとうにひどかった。私たちは、メディアが「国民的な人気のある麻生氏」と繰り返し宣伝していたことを忘れてはいけない。
しかし、何を根拠に「国民的な人気」と言っていたのだろうか?それがまったくない。世論調査で支持がそれほど高かったわけではない。まぁ、世論調査自体も信用できないものだ。なぜなら、大手メディアの「速記者」は与党議員の追っかけばかりやっており、世論調査される国民は、そんなメディアをとおして与党のプロパガンダを日夜食わされているからだ。
もしかして、「国民的な人気」というのは、秋葉原に麻生氏が行ったときに人が集まったから、それを「国民的な人気」と言いたかったのだろうか?
以下はNHKの解説員である影山日出夫氏の「時事公論」での言葉だ(一部抜粋)。
2008年9月1日「時論公論 『福田首相 電撃退陣』」
「 では、これからの政局はどう展開するのでしょうか。まず、次の総理大臣です。福田総理大臣は退陣表明の前に麻生幹事長と長時間話しています。内閣改造で麻生さんを幹事長に起用したのは、国民的な人気のある麻生さんに政権を禅譲することが念頭にあったのではないかと言われました。私が取材した限り、明確な約束ではなかったようですが、麻生氏が次の最有力候補であることは確かです。その背景には、年内の麻生政権へのバトンタッチを早期の解散・総選挙を目指す前提としていた公明党の戦略があります。
その理由は、麻生さんの方が福田さんより国民的な人気があること、麻生さんの方が、小泉政権の構造改革路線を見直すという、公明党の主張に理解があることです。実際、先週決まった総合経済対策に、公明党が求めている定額減税が盛り込まれたのは、麻生幹事長の後押しがあったからだと言われます。」
影山氏は、何を根拠に「国民的な人気のある麻生さん」などと言っているのだろうか?まったくいい加減なもんだ。
最初に述べた理由以外に考えられることがある。与党議員と話していると、「麻生さんは国民的な人気があるから」とか「国民的な人気のある麻生さん」、「若い人に人気のある麻生さん」などと言っていた。ぼくも何度か聞いた。しかし、記者は、何も根拠もないそのような言葉を信用すべきではないのだ。あるいは自分でその根拠を調べるべきだ。記者は懐疑的であるべきだ。解説員が「国民的な人気のある麻生さん」などと言っていてはお話にならないだろう。
同じような例は最近またまたあった。そうだ。「国民的な人気のある東国原知事」だ。この報道はほんとうにうんざりした。テレビは自分たちで大騒ぎで、それを「国民的な人気」などと言っていたようだ。まったくメディア・サーカスそのものだった。一連の報道で、新聞のなかでも毎日新聞のそれはかなりひどかった。次は毎日新聞の高塚保記者の記事だ。
「麻生首相:閣僚人事、2人どまり 東国原氏の起用断念 首相の求心力、一段と低下」
(一部抜粋)
「… しかし、内閣支持率の低迷に苦しむ麻生首相にとって、国民的な人気の高い東国原氏の入閣は衆院選へ向け求心力の回復を図る「起死回生」の目玉人事として、首相周辺が調整に当たってきた。… 」
毎日さん、高塚さん、何を根拠に「国民的な人気の高い東国原氏」などと言っているの?まったくいい加減なもんだ。普通のレベルの低さではない。
政権交代も必要かもしれないが、後退を続けるメディアの交代も必要だ。