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2009年07月14日

プレーバック 2005.9.11 「郵政選挙」

プレーバック 2005.9.11 「郵政選挙」



4年前の衆議院選挙は、「郵政民営化」「刺客」などで大手メディアが大騒ぎした選挙だった。まったく無責任な報道のもとで、選挙が行われた。メディアの反省もなし。たしかに、なかには、その報道を検証するべきだという方も何人かいた。しかし、しなかった。



そもそも「郵政民営化」とは何だったのか?大多数の有権者はこの「郵政民営化」というものを知らない。それは、大手メディアがフェアな報道をしなかったためだ。国民に十分な情報を与えなかった。ふだん、「温泉」だ、どこどこの「ランチ」だと落ち着きのない子どものように騒いでいるテレビレポーターや司会者は「民営化」を理解していたのか?彼ら自身が「法案」(インターネットで読めた)を目にしたのだろうか。「民営化」が何を意味しているかを理解せずにお仕事していたのではないだろうか。



残念ながら、大きな組織に属している人間は「えらい」と大きな誤解をしがちな日本の多くの人々は大手メディアに対してこのような疑問も持たない。組織に入っていないとほとんど人間扱いされない社会だ。



「法案」自体には具体的なことが何も書かれていなかった。「からっぽ」の法案だと私がインタビューをした専門家は言った。
当時、新聞やテレビは「民営化」に反対している専門家(例えば、榊原英資氏、森田実氏など)の意見をまったく聞かなかった。森田氏の場合はそれ以降、テレビ出演もない。もちろん、野党の反対意見は聞いていたので、「野党は反対しかしない」のイメージが強まる。以前から、そのようなイメージを強めるために、一部の与党議員はそのメッセージを繰り返すのだろう。「野党は反対しかしない」と。もちろん、国民はこの超いい加減な報道に踊りに踊った。その結果、小泉自民党の圧倒的な勝利。以下は、当時、榊原英資氏にインタビューした記録もの(以前にも掲載したものの一部)、アメリカの新聞には一部が掲載されたが(もちろん英語で)、アプローチをした日本のメディア1社には掲載を拒否された。



(注:役職は当時のもの
 


2005年9月9日



榊原英資氏:小泉首相がおこなっていることは「知的詐欺」

“ミスター円”として知られた元大蔵省(現・財務省)財務官で現在慶應義塾大学教授、同大学グローバル・リサーチ・セキュリティ・センター所長である榊原英資氏は、小泉純一郎首相に「非常に怒っている」と言う。民営化でないものを「民営化」とごまかして、民営化に賛成かどうかで選挙をするなどとは、「知的詐欺」だと言葉を荒げる。以下榊原氏とのインタビューだ。

Q:小泉氏の「郵政改革」をどう思われますか?

A:まず最初に現実問題として問われているのはあの法案に賛成かどうかなのです。選挙に勝てばあの法案を出すわけです。あの法案がどういう法案かということをまず知らなければいけません。民営化法案ではないのです。



なぜかというと、例えば、郵便事業に関してはネットワークを全部維持すると言っているわけです。それから、雇用はいじらないと言っています。民営化して雇用の調整もできないし、ロケーションの調整もできない。当然のことながら、過疎地とか離島の郵便局は維持するわけでしょ。維持すると赤字が出ますよね。赤字を補填するために2兆円を積むと、つまり、公的資金を2兆円投入するということです。もともと2兆円の公的資金の投入を予定する株式会社などどこにありますか?それが「民営化」だなんてまったくおかしい。


2点目は、民営化すると何が起こるかというと、貯金業務は銀行法の対象になるわけです。保険業務は保険業法の対象になるわけです。銀行法と保険業法では他業の禁止というのがあるのです。つまり、貯金をやっているところは郵便事業ができないわけです。貯金をやっているところは保険事業ができないのです。だから、分社化しなくてはいけない。法律に違反するから分社化せざるをえないのです。ところが、分社化すると言っておいて、一方で一体化して運営すると言っています。どうやるのですか?分社化しておいて、一体化して運営したら、これは法律違反になります。この法案はそこの問題が解決していないのです。これは民営化ではありませんよ。


それからもう一つ、当面は株を100パーセント国が持つのです。最終的には3分の1の株を国が持つのです。おそらくこれは国民に広く売るでしょうから、3分の1持っていれば、国が筆頭株主として会社をコントロールできます。つまり、これは国営会社のままということです。そういうディテイル(詳細)をちゃんとチェックしないで、民営化すべきかどうかと議論してもしょうがない。この法案は民営化法案ではないのです。結果として何が起こるかというと、事実上の国営のままの業務の肥大化が起こるのです。小泉氏はこれらをわかったうえで民営化か民営化じゃないかと言っているわけですよ。あの法案に反対した「守旧派」と言われている人たちはそれを分かっているのです。小林興起氏などは分かっているが、小池百合子氏は分かっていません。
こういう実態をちゃんと報道してほしい。法案を読んでくれればそう書いてあります。2兆円の基金を積みます、しかも、ネットワークは維持しますと書いてある。雇用は減らしませんと言っているわけです。株式は3分の1最後まで持ちますと書いてある。そんな民営化どこにありますか?私は民営化がいいと言っているのではない。これは民営化法案ではありませんと言っているのです。事実上の国営業務の拡大です。むしろ、お金が民から官に流れるわけです。



私は今、非常に怒っている、民主党を支持するとかそういうのではなくて、要するにインチキなんだ。知的詐欺だ。「民営化する」と言っておいて、民営化していないのは知的詐欺だ。3分の1の株を国が持っているところが、民営化企業ですか?国が圧倒的筆頭株主ですよ。


Q:純粋な郵政民営化が可能ですか?

A:私は民営化には反対です。純粋な民営化は非常に難しいのです。日本の場合、無人島まで含めると6852島あるのです。そのうち、人間が500くらいの島に住んでいます。そのうち、300くらいが離島です。それから、日本というのは山間僻地が多いですから、これがやはり、200や300くらいあります。民営化するのであれば、採算の取れないところはやめなければならない。ですから、純粋に民間企業化した時に廃止しなくてはいけなくなる郵便局というのが、500くらいあります。これができるかどうかという話なのです。おそらく国としてはできないでしょう。要するに、これらの地域の郵便局を維持しようと思ったら、郵便事業は民営化できないのです。だから、私は、郵便事業は民営化できませんよと言っている。



それから、もう一つ、貯金と保険は論理的には民営化できます。ただ、貯金は210兆円あります。それから、保険は130兆円くらいあるわけです。民営化した場合には世界最大の銀行になるわけですね。その世界最大の銀行を稼働させたときにいったいどうなるかというと、巨大な影響がでるわけです。郵便局のネットワークは地方に多いわけですから、地方に大きな影響が出ます。信用金庫、信用組合とかと競争することになります。すると、地方金融機関の再編を促すことになるわけです。



例えば、シティ・バンクが日本に2万の支店を持ったと考えてください。しかも、事実上、国のバックがあるわけですから、預金者獲得競争をやり出したらそりゃあ勝てますよ。結果としては、地方の金融機関がバタバタ倒れることになるでしょう。巨大すぎて民営化がなかなかできないわけです。民営化すると言うのなら、最初に縮小しなくてはいけない。民主党案はそれです。

つまり、徹底的に議論した末、民営化できないというのが結論なのです。だから、民営化しないような法律になっているわけです。あれは民営化の法律ではないのです。それが現実なのです。それで民営化かどうかを問うために、衆議院を解散して民意を問うなんていうのは狂っている。非常にインチキな選挙なのだけど、それがまかり通っている。許せないことです。



どの党がどうだと言うつもりはまったくありません。いろいろな立場があっていいと思います。それが民主主義ですから。ただ、民営化でないものを民営化だと言ってはいけません。知的詐欺はいけません。



(以上)