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2009年04月02日

銀座の画廊は「しっかりした居所」

アメリカから来たフォトグラファーが、この飲み屋に連れて行ってほしいというので、何年ぶりかで渋谷で飲んだ。その飲み屋は外国の雑誌で取り上げられたらしく、海外からのお客さんも多いという。カウンターだけしかないので、はっきり言ってせまい。隣の人に気を使いながら飲む。が、今まで面識のなかった人とも会話ができる飲み屋だ。

その女性のフォトグラファーがアメリカから来たということで、小さな飲み屋の中のお客さんたちは彼女に注目した(一人の客は彼女は「とても美しい」と言った、アメリカで言うと多くのアメリカ女性が気分を悪くする言葉だ、でも、しょうがない、そう訳した)。ぼくの隣に座った大銀行に以前勤めていたというジェントルマンAは終始横柄な態度だった。もうリタイアして何年も経っているのに彼が勤めていた銀行の名前を何度も出してくる。顔に出さなかったが、うんざりした。あと、「日本はもうだめだー。だめだー」と繰り返した。ほんとうにうんざりした。

ぼくが名刺を渡したら、名刺を見つめ、そして、名刺越しに、今度はぼくがあたかも火星から来たかのようにまじまじとこちらを見て言った。「会社名は?」「ワシントンタイムズです。でも、アメリカの新聞は大手以外ほとんどフリーがやっているのですよ」と返答したら、「ふっーん」と言いながら,鼻の穴を少しこちらに向けた。

ジェントルマンAの隣のジェントルマンBも名刺を私とジェントルマンAに差し出した。「銀座で画廊をやっています」とジェントルマンBが言ったとたん、ジェントルマンAは目の色を変え、「これだよ。このくらい居所がしっかりしていないと」と自分の名刺のように自慢げだった。もっと何か言いたそうだった。「お前みたいな『馬の骨』とはちがう」っていう感じか。

かわいそうな人だ。ジェントルマンAの銀行は大きな銀行だったので(今はもうない)、金もあるのだろう。そんな話もしていた。でも、家に帰っても妻や子どもにもあまり相手にされていないようだった。まぁ、当然かもしれない。

ジェントルマンAはつまらない「価値観」のようなものから解放されていない。しかし、自分が日本で取材してきた人々はこのジェントルマンAと対照的だ。ジェントルマンAは一生解放されないかもしれない。ほんとうにかわいそうだ。

ところで、最近は名刺に社名を入れている。もうこれで火星人には見られないだろう。