2011年12月18日
メディアと女性
アメリカで日本のメディアの問題を話し始めると「メディアがひどいのは日本だけじゃない」と言う人が多いが、日本の新聞「記者総数に占める女性記者の割合」が15.6パーセントという数字を出すと誰もが言葉を失う。先進国の中でもそんな国があったのか、という反応だ。ちなみにアメリカの新聞の記者・編集者総数に占める女性の割合は60パーセント近いと言う。それでも、メディアの経営陣に女性が圧倒的に少ないとメディアは批判されている。批判の次元がかなり違う。日本のメディアにもっと使命感を持ったジャーナリストがいれば、震災と深刻な原発事故に直面している国で「女性のムダ毛」を延々と早朝から「議論」する(8月30日NHK)番組など存在しないだろう。
また、もっと異なった女性の政治家や女性のビジネスリーダーが注目されるだろう。
2011年12月16日
新聞の女性記者の割合
15.6パーセント
この数字を言うと、アメリカの友人からは、「重大な倫理的問題」「日本の人々はよくそんな新聞読むね」との反応。日本では、ほとんど問題にされないのもまた問題。
もっと低いのはNHK「日本放送協会」さん
「全従業員に占める女性の割合」13.6パーセント
2011年11月27日
2011年11月06日
2011年11月04日
TPPは危険 京都大学准教授 中野剛志
メディアの偏った「報道」には吐き気がする。なぜ下記のような意見がもっと取り上げられないのか。
NHKの「視点・論点」から
(全文は下記のタイトルをクリック)
「TPP参加の是非」京都大学准教授 中野剛志
第一に、TPPへの参加は、東日本大震災からの復興の妨げになります。東北の被災地は農業が盛んな地域です。農家の方々はこれから多額の費用をかけて農地を復興していかなければなりません。しかし、もし将来、TPPに参加して農業経営が厳しくなるかもしれないと思ったら、被災した農家の方々は復興に向けての気力を失うでしょう。
現に、宮崎県の畜産農家の中には、口蹄疫の被害の後、畜産を再開しようとしたけれど、TPPの問題が持ち上がったのでやめてしまったところがあるそうです。
TPPへの参加のみならず、TPP交渉への参加を検討していることだけでも、被災した農家に不安を与え、復興の妨げになっています。野田内閣は復興を最優先課題としていましたが、そうであるなら、TPP交渉参加の検討も中止すべきではないでしょうか。
第二に、TPPは、日本にとって何のメリットもありません。TPPへの参加によって、アジア太平洋の新興国の成長を取り込めるという意見がありますが、間違っています。
TPP交渉に参加している9カ国に日本を加えた10カ国の経済規模の比率は、アメリカが約70%、日本が約20%となります。そしてオーストラリアが約4%、残り7カ国をあわせて約4%になります。日本企業が輸出できるアジア市場など、ないのです。
日本が参加したTPPは、日米で9割を占めます。中国もインドも韓国もTPPには入っておらず、入る予定もありません。従って、TPPに参加して、アジアの成長を取り込むことなど、できません。TPPとは、実質的に日米貿易協定なのです。
TPP参加国の中で日本企業が輸出できそうな市場は、アメリカだけです。しかし、アメリカの関税は低く、例えば自動車の関税は2.5%に過ぎませんので、これを撤廃してもらってもあまり意味はありません。
しかも、日本企業はグローバル化し、アメリカでの現地生産を進めていますので、関税があってもなくても、競争力とはほとんど関係がありません。
また、アメリカは現在、失業率が高く、深刻な不況にあり、アメリカに輸出してもモノは売れません。それどころか、オバマ政権は、貿易赤字を削減するため、2014年までに輸出を倍増する戦略を打ち出しています。これは、一ドル70円程度の円高・ドル安がないと達成できない戦略です。アメリカは円高ドル安を望んでおり、実際、円高ドル安が進行しています。関税撤廃の効果など、円高が進めば消えてしまいます。
従って、日本はTPPに参加しても、アジアにもアメリカにも輸出を伸ばすことはできないのです。
さて、輸出倍増を掲げるアメリカですが、TPPでアメリカが輸出を増やせそうな国は、日本しかありません。つまりアメリカは、TPPによって日本の市場を獲得することを狙っているのです。
第三に、日本はTPPに参加しないと世界の潮流から取り残されるとか、鎖国になるとかいった懸念が聞かれますが、それも間違いです。
アメリカ、韓国、EU、日本の平均関税率を見てみると、すべての品目の平均関税率では、日本の平均関税率は韓国よりもアメリカよりも低いのです。そして農産品の平均関税率についても、韓国よりずっと低く、EUよりも低いのです。しかも、日本は、食料の自給率が低いのですから、農業市場は十分に開放されているわけです。
また、日本は、すでに十二の国や地域との間で、経済連携協定を結んでいます。日米関係は、十分に自由貿易です。そして、TPPは、実質的に日米協定であり、中国もインドも韓国もEUも参加していません。
日本は、TPPに参加しなくても、世界から取り残されることなどあり得ません。
(中略)
第四に、TPPの問題点は、農業だけではありません。現在、TPPの交渉は農業以外にも、金融、投資、労働規制、衛生・環境、知的財産権、政府調達など、あわせて24もの分野があります。
TPPは、日本の食料だけではなく、銀行、保険、雇用、食の安全、環境規制、医療サービスなど、国民生活のありとあらゆるものを、変えてしまいかねません。特に、アメリカは、日本の保険制度をアメリカの保険会社に有利なように変えることを求めてきています。
(中略)
一九一一年、日本は小村寿太郎の活躍によって、不平等条約を改正し、関税自主権を回復しました。それからちょうど百年後の今年、その関税自主権を放棄するなどという歴史を、私たちは、後世に語り継いでいけるのでしょうか。
(以上)
2011年10月29日
2011年10月28日
2011年10月28日
2011年10月25日
「増税政権で超不景気に」
「増税政権で超不景気に」
野田政権と大メディアは増税しか考えることがないのか。ちまたに言われている「財務省内閣」に「財務省メディア」。知り合いのアメリカ人ジャーナリストは日本の大手メディアは財務省の視点ばかり報道するとかなり以前から言っている。霞ヶ関あたりで働き始めると興奮してしまうのか。
最近、インタビューした方は増税すれば、当然、消費が冷え込み、「超不景気」になると言ってた(まぁ、かなり多くの方、専門家じゃなくても、が言っているが)。「スイーツ」やおかしくもない「お笑い」で騒いでいる場合ではなさそうだ。
また、ある日本人ジャーナリストは、政府が常に考えていることは国民からいかに税金をしぼり取るか、ということで、多くの日本の人々は「そんな基本的なこと」も知らないと言っていた。
以下、早稲田大学の水島朝穂教授の「復興増税」に関する大変興味深いエッセイです。クリックしてください。
2011年10月25日
「読売新聞 無料配布中」
「読売新聞 無料配布中」
週末のビジネスホテルのフロントです。読売さん、とても寛大なんですね。チェックアウトの9時58分時点です。せっかくだから、と思ったのですが、いただきませんでした。
2011年10月23日
「記者会見ゲリラ戦記」 畠山理仁
「記者会見ゲリラ戦記」畠山理仁
この書はかなり興味深く読ませてもらった。多くの日本の人々がメディアの問題どころか、社会問題にも関心を示さない一方、畠山氏がフリーのジャーナリストとしてこの問題を追及し続けていることに感心する。
畠山氏も言うように、記者クラブ問題はほんとうにバカらしく時間の無駄とさえ思ってしまう。にもかかわらず、この問題を追求し続けている主な理由を畠山氏は下記のように述べている。
(以下、抜粋 154ページ)
僕がなんでこんなお金にならないことを続けているかっていうと、「記者クラブによる情報の独占はおかしい」と思っているからなんです。記者クラブを構成するメディアも、普段は「社会の木鐸」なんて言ってるけど、本当は利益を追求する一私企業にすぎません。その上、権力側から無料の記者室などさまざまな利益供与を受けている。だから権力側や記者クラブメディアにとって「不都合な真実」を報じないというケースが出てくるんですね。
たとえば新聞とテレビの資本関係を規制する「クロスオーナーシップ規制」や「官房機密費がマスコミに流れていたという疑惑」。
(抜粋以上)
2011年10月22日
「正力松太郎の追求を!」 小沢氏会見後に
(下記をクリックすると会見後の様子を見ることができます)
小沢一郎記者会見の後で
「正力松太郎の追求を!」
「ナベツネの追求を!」
読売新聞の恒次徹記者は何を質問したかったのか、自分の意見(あるいは社の意見?)を主張したかったのか、どちらなのか? 新聞やテレビの記者は何か大ーーーきな勘違いしている、という批判はほんとうによく聞く。
自分が学んだことは、質問は短く簡潔に、でも、相手からは多くを引き出すことが重要、ということ。ふつう記者会見の場で自分の意見を述べることはない。
2011年10月22日
読売新聞記者「ルール違反」
読売新聞の恒次徹記者、かなりおもしろい方です。
冒頭の小沢一郎氏とのやりとりは必見。
(下記をクリックすると読売のジェントルマン登場)
しかし、このようなジェントルマンが記者である新聞の記事ってどんな内容になってしまうのか、と考えると笑ってはいられません。
ほんとうにこわい。日本の大新聞の記者はほんとうにこわい。
読売新聞記者の「ルール違反」
2011年10月09日
「TBSキャスターの掟破り」
「TBSキャスターの掟破り」
悪意に満ちた報道が分かる。
以下、「田中龍作ジャーナル」より
陸山会事件の初公判後(6日夕)、小沢一郎・元民主党代表が開いた記者会見をめぐる報道は、各紙・各局とも批判一色だった。それをとやかく言うつもりはない。批判は自由だからだ。だが、事実をねじ曲げて自らを正当化するのは、戦中の大本営発表と同じではないだろうか。
記者会見の現場に臨んでいない読者(国民)が、騙される記述がある。それは「テレビ局記者が4億円の融資署名を聞いたことに小沢氏が答えなかった」とするくだりだ。
朝・毎・読は翌7日の朝刊で次のように報道している
「テレビ局の記者の質問は答えを得られず」(朝日)、「別の記者が質問する順番だとして質問者をたしなめた」(毎日)、「民放記者の質問を制止」(読売)
こうなった背景はものの見事にネグレクトされている。実情を明かそう。テレビ朝日記者と共同通信記者の質問が終わったところで、司会役の岡島一正議員が「では次は、フリーの方も含めて」と指定した。記者クラブ限定ではなくフリーにも質問の機会を与えるためだ。会見場の雰囲気から察して、流れはフリーやネットに来ていた。
そこに「TBS・News23」松原耕二キャスターが、紛れ込んで挙手したところ当たった。松原キャスターは社名も氏名も名乗らずに質問を始めた。フリーやネット記者を装ったのである。姑息と言わざるを得ない。
松原氏の正面の席に座っていた筆者は言った。「社名と氏名を名乗って下さい」と。松原氏は渋々名乗った。
そこで初めて小沢陣営が『ルール違反』と気づき、松原氏の質問を制止したのである。
記者会見に出席するマスコミ記者の人数は、フリーやネット記者の数十倍に上る。松原キャスターのような手法がまかり通ったら、フリーやネット記者が質問する機会は著しく減少するのだ。
「質問する記者は社名と氏名を名乗る」。記者会見における最低限のエチケットである。鉢呂経産相辞任会見でヤクザまがいの暴言を吐いた某通信社の記者も、社名と氏名を名乗らなかった。
談合防止のためにもプレスセンターを
あまりにもレベルが低い記者会見は、民主主義を危うくする。官庁、大企業と記者クラブの間で談合が成立し、国民には真実が隠されてしまうからだ。経産省、東電、記者クラブが事実を隠ぺいし続けてきた原子力発電所の実態が何よりの例である。
フリーやネット記者を入れるのは、透明性を担保する第一歩である。先ず記者クラブに質問させて、次にフリーやネットという指名方法も止める必要がある。テレビ中継の時間枠の中で自社の編集方針に沿った質問と回答を放送するために、長らくこの方式が取られてきた。
だがこれこそ、国民の知る権利に背くものではないだろうか。テレビ局の興味と国民の興味は違うことの方が多いのだから。情報操作の危険性も生まれる。
日本の記者会見は、役所か大企業の本社などで行われる。抱き込まれにのこのこ行くようなものだ。これでは真実が隠されてしまって当然だ。
役所や大企業からの独立性を保つためには、記者会見を別の場所で開く必要がある。FCCJ(日本外国特派員協会)のようなプレスセンターを設けるのだ。
主催権はフリーもネットも含めたジャーナリスト側にある。こうすれば少なくとも役所や大企業による世論操作が入り込む余地は格段に減る。
ここでいうプレスセンターとは、電力会社の東京支社を入居させているような「日本プレスセンター(日本新聞協会加盟社とその関係者のみ記者会見に参加可)」ではない。
知る権利はあくまでも主権者たる国民にある。記者クラブと役所、大企業による談合質問が続く限り、国民は判断材料さえ与えられないことになる。
(以上)
2011年09月27日
テレビの「意図ある報道に危うさ」
本日の「逢坂誠二の徒然日記」からです。テレビが「政治屋」になっているから「特定の意図ある報道」になってしまうのでしょう。テレビのニュースからは「情報」は得られません。イメージだけです。そのようなニュースは見るべきではありません。以下、逢坂氏の日記です。
1)予算委員会
昨日は終日予算委員会に出席しています。
午前は与党質疑、午後から野党質疑でした。
=以下、いくつかのやり取り=
前原誠司氏:
どのような道筋で貿易や投資の自由化を達成するのか。
野田佳彦首相:
韓国と比べると周回遅れの感がある。オーストラリア、欧州連合(EU)、韓国などとの交渉を着実に進めていく。環太平洋連携協定(TPP)については、まず関係国からの情報収集を行い、なるべく早い時期に結論を出す。
塩崎恭久氏:
安易な増税議論がされている。
首相:
安易な増税をしようとは全く思っていない。歳出削減、(経済)成長、歳入改革への道を組み合わせながらやっていく。
塩崎氏:
首相は「脱原発依存」と言ってきたが、徐々に後退してきている。また、国連での会合で原発輸出を続けていくと発言した。
首相:
(脱原発依存の)基本的な考え方は変わっていない。原発輸出を今、認めるという話は国際社会で言っていない。厳しい事故検証を踏まえて今後の対応を考える。
吉野正芳氏:
東京電力への賠償金の請求書類は160ページもある。政府と東電が協議して作成したのか。
枝野幸男経済産業相:
この書類を見たときには、送付が始められていたか、その前日くらいだ。合意書には「東電に一切の異議・追加の請求を申し立てない」との文言があった。とんでもない話だ。
吉野氏:この文言を削除すべきだ。
西沢俊夫東電社長:
非常に誤解を招く形なので、削除の方向で見直しをする。
=以上、やり取り終了=
帰宅後、テレビニュースを見ますと、
委員会室の雰囲気とは違った受け取りに見える、
編集が行われている場面に遭遇します。
特定の意図ある報道に危うさを感じます。
今日も昨日同様予算委員会が開かれるため、
早朝から打ち合わせです。
2)税制調査会
昨日は、党の税制調査会が、
予算委員会の合間を縫って、
総会3時間、役員会2回と精力的に開催されています。
総会では、増税に反対する声が多く出され、
東日本大震災からの復興財源を賄う意見集約は、
今日以降になります。
2011年08月02日
米教授、日本の新聞を批判
米教授、日本の新聞批判
47ニュースのホームページで米国コロンビア大学教授のジェラルド・カーティス氏のメディアに関するコメントが掲載されていた(先週、カーティス氏が外国人特派員協会で会見した内容の一部)。
カーティス氏は、「日本の新聞の政治記事は菅内閣が繰り出す様々な政策を政権の延命工作として書くだけで、その政策が本当にどういう意味を持つのか、国民にとってどのような価値があるのかを分析していない。政治の劣化だけでなく、ニュースメディアも問題を抱えている」と語ったという。
つまり、以前述べたように、日本の大メディアは政治屋になっていて、フェアな報道がまったくできないということ。「ニュースメディアも問題を抱えている」のではなく、ニュースメディアこそがこの国の問題。これほどひどい仕事をしていてよく給料もらえるなぁ。
2011年07月22日
2011年03月27日
NHKでは知ることができない原発に関する記事
共同通信から配信されました。
「現地ルポ・振り切れた測定器の針 ジャーナリスト豊田直巳氏」
http://www.kyodonews.jp/feature/news05/2011/03/post-132.html
2011年03月05日
フジサンケイ 「世にもまれな御用組合」
草の実アカデミーより連絡です。
3月19日(土) 第25回講演会
反リストラ産経労・松沢委員長が語る
「フジテレビ&産経新聞との17年闘争」
日時 3月19日(土)2時開場、2時30分開演
講師 松沢弘(反リストラ産経労委員長)
場所 渋谷区立穏田区民会館 1階集会室
渋谷区神宮前6-31-5 電話03-3407-1807
http://www.city.shibuya.tokyo.jp/est/kmkaikan/km_onden.html
交通 JR原宿駅 徒歩6分 東京メトロ明治神宮前駅徒歩2分
資料代 500円(会員無料)
主催・問い合わせ先 草の実アカデミー(連絡先末尾)
※通常よりも30分遅れの開演です。
世にもまれな御用組合
1994年1月、フジテレビ・産経新聞を軸としたフジサンケイグループに属する日本工業新聞社(現紙名=フジサンケイ・ビジネス・アイ)の松沢弘論説委員は、御用組合の産経労組に見切りをつけ、マスコミ界初の合同労組「反リストラ産経労」(労働組合・反リストラ・マスコミ労働者会議・産経委員会)を結成して委員長に就任した。
対する会社は、27回も団交を拒否し、同年9月に松沢委員長を懲戒解雇した。それから17年。経営側と御用労組のどちらにも属さず、日本で本当の労働組合活動を行うとどうなるのか、松沢氏のケースから日本の労使関係の実態が浮き彫りになる。
さらに、社員を締め付ける“大政翼賛会”体制を維持するフジサンケイグル―プが、どのような報道をしているかを見極める必要があるだろう。
林克明(草の実アカデミー)
「反リストラ産経労」ホームページ
http://www006.upp.so-net.ne.jp/fujisankei/
参考・松沢弘氏インタビュー記事
http://www.mynewsjapan.com/reports/1380